【長野県 井筒ワイン】
雨が少なく日照量が多い上、昼夜の温度差が大きい長野県は、日本有数のぶどう栽培地だ。そのため、長野県はワイン産業に力を入れている。品質向上を目指して県独自の「長野県原産地呼称管理制度」を設け、厳しい審査を通過したワインだけに、「長野県原産地呼称管理制度認定ワイン(N.A.C.ワイン)」を名乗ることを認めている。
長野県塩尻市にある井筒ワインは、この認定を毎年取り続け、今回のワインコンクールでも、この認定を受けた「NACマスカット・ベリーA[遅摘み]2018」が見事、金賞&部門最高賞に輝いた。
「ワインは、いくつかの品種をブレンドしてバランスを整えたりもしますが、私たちは基本的なことを伝えたいと思うんです。それは、各ぶどうの特徴。単一品種でワインを造ることで、ぶどうそれぞれの個性を知ってもらいたいのです」(井筒ワイン専務取締役・塚原嘉之さん)
ぶどうの個性がわかれば、ワインの楽しみ方も広がるはずだ。
【島根県 島根ワイナリー】
甘く爽やかで青りんごのような香りが特徴的な日本固有種のぶどう「甲州」。この白ワイン用ぶどうの栽培は、その名の通り、山梨県が有名で、これまでも「甲州」を使ったワインの賞は山梨県のワイナリーが独占してきた。ところが今年、出雲大社に近い海沿いに畑を持つ、創業60年目の島根ワイナリーが、「島根わいん縁結 甲州2018」(完売)gで金賞&部門最高賞&コストパフォーマンス賞の3冠に輝き話題となった。
「盆地や山間に比べて、海沿いで作るぶどうは、風雨の被害を受けやすい。雨や湿度に負けないぶどうを苦労して栽培し、酵母や樽の種類まで悩み抜いて醸造しました」(製造課・堀江博己さん)
島根県でもおいしい甲州ワインが飲めることを覚えておいてほしい。