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気持ちや健康状態を表す 「猫の寝相」の秘密に迫る

猫の睡眠スタイルは横向きが一般的。性格に関係なく、安心できる場所であれば、どの猫でもこの寝相をとるという(Ph:Getty Images)

 猫の睡眠時間は1日12~16時間と長い。「起きてもっと遊んでほしい~」という飼い主も多いのでは? ところが、猫は寝ていても、気持ちや健康状態を“寝相”で表している。猫の寝相に秘められた謎に迫る。

 仰向けや伏せ、体を丸めるなど、猫の寝相にはさまざまあるが、通常の睡眠スタイルは横向きだと、獣医行動診療科認定医の藤井仁美さんは言う。

「脚を前方に投げ出し、脇腹を見せて寝る横向きスタイルは、安心して寝ている証。深い眠りについた状態といえます」(藤井さん・以下同)

 ところが、気温の変化やリラックス度、猫本来の性格によって寝相に変化が出る。

「暑い時は体の熱を逃がそうと仰向けになります。逆に寒い時は熱を逃がさないように体を丸めます。さらに安全な場所であるか否かや、警戒心が強い性格かどうかで、弱点であるお腹をさらけ出して寝るか、隠して寝るかが変わってきます」

 例えば、気温の変化に関係なく、比較的大らかな性格の猫は仰向けに寝ることが多く、警戒心が強い猫は体を丸めたり、伏せのまま寝る。

「おへそを天井に向けて寝るのは、安心できる場所でだけ。愛猫がこのポーズで寝ていたら、それは飼い主を信頼している証です」

◆暗所で丸くなって寝るのは不調サイン

 次のような姿勢で寝ている場合は、病気やけがなどの影響で、体に痛みを感じていたり違和感がある可能性があるので注意が必要だという。

●耳を垂らし、目を細めて、暗い場所で体を丸めて寝る。
●背中を丸めて部屋の隅などで壁に体をくっつけて寝る。

丸まった状態の“アンモニャイト”。警戒心が働いている時や体調不良の時、寒い時などにこの寝相をとる(Ph:Getty Images)

「飼い主から離れ、暗い場所で丸まって寝ている場合は具合が悪い可能性が高いんです。動物は具合が悪くなると、敵に襲われないように安全な場所に身を隠す習性があります。いつもと寝相が違うと感じたら、早めに動物病院を受診しましょう」

 では、猫にとって理想的な寝床は、どうやって用意したらいいのだろうか?

「猫が気に入りそうな場所を複数用意して、猫に自由に選ばせるのがポイントです」

“寝る場所はここ”と飼い主が限定してしまうと、かえってストレスを与えてしまう。暗い場所、高い場所、日当たりのよい場所、飼い主の近くだが邪魔されない場所、隠れられる場所など、寝床を複数用意し、猫がその時の気分で自由に移動できるようにするとよい。

「夜間、いちばんよく寝る場所はその猫にとってお気に入りであり、縄張りでもあります。そこで寝ている時は、邪魔しないことが大切です」

 また、基本的にトイレと寝床は離した方がいいが、高齢猫や病気の猫は遠すぎると不便なので、状況に応じて場所を変えてあげよう。質のよい睡眠のためには、環境を整えることが重要だ。

※女性セブン2019年11月21日号

リラックスしておらず、浅い眠りの状態。警戒心の強い猫に多い寝相(Ph:Getty Images)

リラックスした状態。比較的大らかな性格の猫に多い寝相(Ph:Getty Images)

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