国内

私立中学に広がるコース制 小6受験生に選択させる是非は

「学力別」「学習内容別」のコース制が増えてきた私立中学

「学力別」「学習内容別」のコース制が増えてきた私立中学

 私立高校の中には、文系・理系に分かれるクラスがあったり、より専門的な学問を学べるクラス、難関大学を目指す特進クラスなど学力別の「コース制」を設ける学校が多いが、いまやその流れは私立中学にまで広がっている。安田教育研究所の安田理氏が、多様なコースを取り入れる私立中学の現状と問題点について考察する。

 * * *
 近年、私立中学で様々な「コース制」を取り入れる学校が増えています。といっても、御三家やそれに準ずる難関校、上位校でコース制を取り入れているところはあまりありません。

 これは、そもそも難関校に入学してくる生徒は、難しい入学試験を突破してきているので、全体的に学力レベルが高い(そもそも低学力の生徒がいない)ことによります。もちろん入学後にはどうしても学力差は広がるので、英語・数学などの教科で習熟度別クラス編成をしているケースはありますが。

 一方、中堅校の場合は積極的にコース制を取り入れている学校が多数あります。その理由は大きく2つあります。

 まず、中堅校の場合は、上位校に落ちてたまたま入学してきた生徒、偏差値以上のチャレンジ受験だったがたまたま合格した生徒、第一志望でその学校向けの対策に注力したおかげで合格を勝ち取った生徒……と多様な生徒が入ってきています。そのため学習の効果を上げるためにコース制にしているというケースです。

 もうひとつの理由は、少しでも学力の高い層(難関大学を目指している層)に受けてもらいたいということで、コース制を採用しているケースです。

 コースの名称は当初は“特別に大学進学に向けて指導します”ということで、「特進コース」という名称がふつうでした。が、どこもが取り入れるようになると、多くの中から選んでもらうために「東大クラス選抜」「スーパー特進コース」「最難関国公立大コース」といったインパクトのある名称を付けるようになってきています。

 どうでしょう。保護者の方も、普通の学校よりコース制を採っている学校、それも単なる「特進コース」より際立った名称の学校のほうが、学校が大学受験に向けて熱心に取り組んでくれるように感じ、わが子が難関大学に受かりそうな気もしませんか?

関連キーワード

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン