独身男性の数は増える一方だ
◆4人に1人の男性が婚歴なし
前出のペリーさんの言葉通り、男性の非婚化・晩婚化の流れは加速度を増している。国立社会保障・人口問題研究所の発表によれば、2015年の男性の生涯未婚率は23.4%にのぼる。『データで読み解く「生涯独身」社会』の著者で、ニッセイ基礎研究所 生活研究部准主任研究員の天野馨南子さんは、男性未婚率上昇の理由をこう分析する。
「今や50才男性の4人に1人は婚歴なしですが、一般的には“男はしようと思ったらいつでも結婚できるし、子供も授かれる”との思い込みがかなり強いです。しかし実際には女性同様、男性も初婚年齢と出生率に確固たる相関関係があり、初婚が遅ければ遅いほど子供を授かるのは統計的に難しい。
実は、若い女性を獲得しようにも、50代男性が20代の女性と結婚する確率は0.06%です。その0.06%も芸能人などの特殊事例が含まれた数値ですが、メディアで取り上げられると一般人でも急に自信を持ってしまう」
危機感の薄さに反して、マッチングアプリに代表される「婚活ブーム」は花盛りのようで、作中でもアプリを使って結婚相手を探そうとする桑野の様子が描かれている。しかし男性向けに婚活セミナーとイベントを行っている「花婿学校」代表の大橋清朗さんは渋い顔を見せる。
「自治体から婚活イベントを依頼されることが多いものの、男性の結婚意欲は低下している印象です。“自分を変えたくない”という気持ちが強く、見た目や中身を磨いてまで結婚しようとは思わないようです。10年前はイベントをすれば多くの人が熱心に足を運んでいましたが、今は“今日は雨が降ったから行かない”なんていう人も」