トランプ氏も「信用できない」と漏らした(写真/EPA=時事)

◆トランプも「信用できない」と酷評

 外務省発行の2019年版「外交青書」にも韓国は噛みついた。慰安婦問題を巡り、「性奴隷という表現は事実に反するので使用すべきではなく、2015年12月の日韓合意でも韓国側と確認済み」としたところ、韓国外交通商部が強く反発。

 あくまで、この問題の公式名称が「日本軍慰安婦被害者」であることを確認しただけで、“性奴隷”ではないと認めたわけではない──という主旨の声明を出したのだ。

 だが、前出・黒田氏は「性奴隷という言葉を使わないことを日本側が希望し、合意に至ったのは紛れもない事実。日本が文書化したことを騒ぎ立てたのは、やはり韓国国内向けのパフォーマンスでしょう」と指摘する。

 11月23日に失効が迫るGSOMIA問題も同様だ。韓国政府は今年8月の破棄決定に際して「米国の理解を得た」と繰り返し説明してきたが、米国は「強い懸念と失望を表明する」(国防総省)と不快感をあらわにし、トランプ米大統領は直後のG7で「文在寅という人は信用できない」と文大統領を酷評した。

 国内向けには「強い指導者」を演じる文大統領だが、その“内弁慶の虚構”は決して日韓関係の改善にプラスにはならない。

※週刊ポスト2019年11月29日号

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