作者の乃木坂氏は「結婚に対してポジティブな印象しかない」と語る

──『医龍』など他の作品でもそうだと思いますが、描き始めるまでに取材をかなりされているのだろうと想像しました。児童相談所や拘置所の取材で印象深かった事柄はありますか。

「事柄よりも、その場所の空気感というか、直に会って感覚でわかる部分のほうが大事で、知識よりもその場にいて初めて『あ、これで描けるわ』という感触が得られる瞬間があるんです。フランス革命の漫画を描いた時も、実際にベルサイユ宮殿を見て、やっと腑に落ちた部分があったんです。『医龍』のときは手術室を見学させてもらって、感覚で分かってようやく描けるというか。

 例えばこの部屋の隅っこってどうなってるんだろうとか、そういうことが気になるんですよ。床はどんなんだろうとか。空気はどんな感じなのかなとか。逆にそれがわかると気持ちの中でゴーサインが出るというか、取材はそこが一番大事かなと思います」

──第1集での見所は、アラタと真珠の拘置所面会での言葉の駆け引きだと思います。面会室という殺風景な場所でのシーンにもかかわらず、とても惹きつけられました。

「密室劇は『医龍』の時にやっていて、教授と教授の顔芸で一話を描いたこともありますので(笑い)、その経験が活かされていると思います」

──これからの展開がとても気になります。連載開始時から、すでに最終話を決めているものなのでしょうか?

「大雑把な話の流れは当然あるわけですが、そこにどうたどり着くかとか、たどり着いた時にどんな気持ちになっているかとか、そういうところは僕もまだ全然分からないし、むしろそれが大事かなと思っています。

 すごくハッピーなことが起きるとしても主人公たちはネガティブな気持ちでいるかもしれないし、何かネガティブなことが起きるかもしれないけど主人公たちは満ち足りているのかもしれないし。最終回は決めちゃうと気持ちが『作業』になっちゃう場合があるので、どう締めるのかは最初にあまり考えないし、そこにたどり着いた時に、最適な最終回があるのかなと思っています」

◆取材・文/高橋ユキ(ジャーナリスト)

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
メキシコの有名美女インフルエンサーが殺人などの罪で起訴された(Instagramより)
《麻薬カルテルの縄張り争いで婚約者を銃殺か》メキシコの有名美女インフルエンサーを米当局が第一級殺人などの罪で起訴、事件現場で「迷彩服を着て何発も発砲し…」
NEWSポストセブン
「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年11月6日、撮影/JMPA)
「耳の先まで美しい」佳子さま、アースカラーのブラウンジャケットにブルーのワンピ 耳に光るのは「金継ぎ」のイヤリング
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン
「埼玉を日本一の『うどん県』にする会」の会長である永谷晶久さん
《都道府県魅力度ランキングで最下位の悲報!》「埼玉には『うどん』がある」「埼玉のうどんの最大の魅力は、多様性」と“埼玉を日本一の「うどん県」にする会”の会長が断言
NEWSポストセブン
受賞者のうち、一際注目を集めたのがシドニー・スウィーニー(インスタグラムより)
「使用済みのお風呂の水を使った商品を販売」アメリカ人気若手女優(28)、レッドカーペットで“丸出し姿”に賛否集まる 「汚い男子たち」に呼びかける広告で注目
NEWSポストセブン
新関脇・安青錦にインタビュー
【独占告白】ウクライナ出身の新関脇・安青錦、大関昇進に意欲満々「三賞では満足はしていない。全部勝てば優勝できる」 若隆景の取り口を参考にさらなる高みへ
週刊ポスト
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
《出所後の“激痩せ姿”を目撃》芸能活動再開の俳優・新井浩文、仮出所後に明かした“復帰への覚悟”「ウチも性格上、ぱぁーっと言いたいタイプなんですけど」
NEWSポストセブン
”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン