FA導入直前の1993年に1億円に到達したプレイヤーで、2020年の亀井の1億1000万円と同クラス(1000万円差以内)には、1億2000万円の駒田徳広(巨人、2800万円アップ)、1億1500万円の古田敦也(ヤクルト、5500万円アップ)、1億500万円の大石大二郎(近鉄、1300万円アップ)、1億400万円の平野謙(西武、900万円アップ)がいる。
この4選手が1億円になるまでの3年間(1990~1992年)の成績を見てみよう。
駒田は3年連続130試合フル出場を果たし、2年連続3割を達成。古田はルーキーイヤーの1990年こそ106試合出場だったが、2年目は128試合出場で首位打者を獲得。3年目は131試合フル出場で打率3割1分6厘、30本塁打、86打点で14年ぶりの優勝に貢献。
近鉄のチームリーダーだった大石は3年連続125試合以上出場で、1990年には3割1分4厘、20本塁打と打棒が爆発し、1992年は39盗塁で佐々木誠(ダイエー)に次ぐリーグ2位だった。
平野は3年連続120試合以上出場。当時の犠打数日本一であり、『2番・ライト』として3年間で148犠打を記録。西武の3年連続日本一に欠かせないバント職人だった。4人はいずれも規定打席に達している。
彼らと比べれば、正直、亀井の成績は劣る印象だ。一昨年109試合、2割5分1厘、6本塁打、47打点で規定打席には届かず。昨年は123試合、2割5分4厘、13本塁打、49打点で9年ぶりに規定打席に到達。今年131試合、2割8分4厘、13本塁打、55打点でプロ入り始めて2年連続規定打席以上を達成。4000万円アップで、大台に乗った。
「今年の巨人は亀井がいなければ優勝はなかったでしょう。開幕時は5番を務め、その後は1番に定着し、チームの足りないピースを埋め続けた。結果以上に内容の光るシーズンでした。昔なら1億円にならないでしょうけど、時代が変わった証です。今年、1億円にならなければ、亀井の来季以降のやる気を削ぐことにもなる。巨人のアップ率を考えれば1億円に届いて当然でしょう」