それだけではない。反社会的勢力の関係者と一緒に写真におさまっていた菅官房長官は、その人物が会に「結果として入っていた」と発言。にもかかわらず、反社会的勢力の関係者が会に出席したと「私自身は申し上げていない」と釈明しただけでなく、反社会的勢力の定義についても「さまざまな場面で使われることがあり、一義的に定まっているわけではない」と反論したのだ。

 政府は2007年、「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について」を策定し、反社会的勢力について定義した。にもかかわらず、森まさこ法相までが「反社会的勢力という言葉は様々な文脈で用いられているので、一般論としてお答えするのは困難」と国会で答弁してしまった。安倍政権ではあったはずの定義すらなかったものになるらしい。

 不都合になると、あったはずのものをなかったものにしてしまう、見なかったことにしてしまうという「オーストリッチ効果」が、安倍政権や官僚の中に蔓延しているのではないか。オーストリッチは日本語でダチョウと訳されるため、この効果を「ダチョウ効果」と呼んでいるものもあり、ダチョウが危険に遭遇すると、頭を地面や砂の中に突っ込んで見ないようにし、やり過ごそうとする習性に由来している。

 安倍政権や官僚らは、オーストリッチ効果により逃避的な防衛傾向をますます強め、この疑惑をやり過ごそうとしているようだが、疑惑の火種はなかなか消えない。多くの人がSNSに投稿しすでに公開情報となっている「桜を見る会」。情報番組でも、連日のように参加した人の証言や招待状の写真を報じ、役所仕事の矛盾点も突かれている。

今回の問題を巡り、安倍政権の支持率は低下傾向が続いているだけに、ここで新事実が発覚すれば、政権にとって更なる厳しい事態も予想される。果たして首相の意向に沿う幕引きとなるのだろうか。

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