2008年の紅白初出場歌手たち(写真/共同通信社)
「『メガ幸子』をベースに可動式ウイングにLEDパネルを装備して、独自の映像をハイテク技術で導入した『NEO幸子』(第66回)が最もゴージャス。歴代の衣装の最高額規模になりました。金額は内緒です」
気になるのは衣装の「その後」である。
「紅白の衣装は国内外での公演でも着ています。『メガ幸子』は台湾で人気の『マーズー』という女神様に似ているそうで、現地ではコンサートに行くと拝まれました。大トリを務めさせていただいた第55回ではその年に行なわれたアテネ五輪をモチーフにした衣装を用意していましたが、秋に故郷の新潟で地震があったため見送りに。年明けのNHK歌謡コンサートで、幻となった衣装を解禁しました」
1999年には、第44回でお披露目した「ペガサス」を友人のカルーセル麻紀に特別レンタル。
「2016年には、『キリン 氷結』のCMで共演した元AKB48の高橋みなみちゃんが『火の鳥』の巨大衣装を着ています」
出番を終えた衣装は現在、解体されて倉庫に眠っている。
「すべての衣装ではありませんが、千葉と平和島の倉庫に保管してあります。皆さんの笑顔を原動力に毎年続けてきた紅白の衣装が、いつしか私の代名詞となって大きく世界が広がる幸せなきっかけとなりました。電球がつかないなど時にはトラブルもありましたが、チーム幸子が一丸となって全力で作った衣装に悔いはありません。私にとってかけがえのない宝物です」
※週刊ポスト2019年12月20・27日号