「あくまでも一般論ですが、被害者が減刑を求める嘆願書は一審で提出されており、被害者からの情報は出尽くしていると考えます。控訴審では、被告人の再犯防止の取り組みや更生環境が整備されているという主張をして減刑を求めていくことが考えられます。逆転のためには、一審で出せなかった“新たな事実”が求められることが多く、そのような事実が主張できた場合、ひっくりかえる可能性がないとはいえません」
12月中旬、記者は高岡被告に話を聞くため、彼女の実家を訪ねた。高岡被告は不在で、応対した高岡被告の母親は「何も話すことはありません」というのみだったが、そのわずか数分後に高岡被告本人が帰宅した。
10センチはあるハイヒールのストレッチブーツ、ヒップラインまでくっきりと見えるセクシーなスキニーデニムに黒い革ジャンを羽織った高岡被告。裁判での憔悴しきった様子とはうってかわって、くっきりとマスカラが塗られたバッチリメイク。隣を歩く若い男性と談笑しながらの帰宅だった。しかし、記者が「控訴についてお話を」と向けると笑顔が一転。押し黙って自宅へと入っていった。
高岡被告の現状を琉月氏はどう思うのか。
「彼女が元気ですごせているようならそれは良かったと思います……でも控訴では、俺が彼女にしてあげられることは、もうないと思う」
琉月氏はため息混じりにそう答えた。
◆取材・文/宇都宮直子