◆SFが未来のクルマを予測する
この短編集のタイトル『答え合わせは、未来で。』は、SF作家たちが描いた未来のクルマが、実際に実現したかどうか、その答え合わせが未来でできます──という意味があるようです。確かに以前よりSF小説は未来を当ててきています。日本での実用化も近いのではと言われる自動運転のクルマというのも、SFにはずいぶん前から登場していました。
短編集の中で私がいちばん気になったのは、氏田雄介さんの『自動化されたある1日の記録』でした。これには自動運転車ならぬ“自動歩行シューズ”が登場するのです。それを履けば、あらかじめ登録しておいた行き先に向かってくれる靴です。自動運転車が、シューズになった形といえるでしょう。
この靴がなぜ自動的に歩くことができるかというと、靴から足の筋肉に信号が送られているからなのだそうです。そして、電源を切れば、普段通り自分で足を動かして歩くこともできるのだとか。
このような靴が実在したら、欲しくなりますよね。クルマに乗っているよりも健康的ですし、近場での移動が多い人は、自動車に乗る必要もなくなっていくでしょう。腹筋を自動的に動かして腹筋運動させるマシンはすでにあるのですから、自動歩行シューズも夢ではない気がして、とてもワクワクしてきます。