ライフ

歯科医師が使う歯磨き粉、虫歯予防ならフッ素の量で選ぶ

歯科医はこれを選ぶ

 専門分野の医師たちが選ぶとしたら、どの市販薬を選ぶのか。たくさんの種類があって選びきれない歯磨き粉。歯科医が選ぶものはどれ?

「白い歯を作る」「ツルツルに」「息爽やか」などCMのイメージをもとに選んでしまいがちな歯磨き粉だが、歯科医が見るのは「フッ素の量」ただ一点だ。

 フッ素は唾液中のカルシウムなどと反応して酸に溶けにくい物質を作り、歯をコーティングする役割を持っている。虫歯菌から歯をガードしてくれるだけでなく、歯の石灰化も促して、虫歯を防いでくれるという。東陽町歯科医院の大谷直さんが解説する。

「虫歯にならない“予防歯科”の考えで選ぶと、フッ素配合のものになります。フッ素濃度は、厚生労働省が2017年から上限を1500ppm以下と決定したため、市販のものでは1450ppmが最高。具体的に商品名を挙げると『薬用シュミテクト コンプリートワンEX』『チェックアップスタンダード』『クリニカアドバンテージ』『バトラーエフペーストα』の4つです。初期の虫歯であれば、これらを使っていれば歯を削らなくても再石灰化し、自然治癒できます」

 食後や就寝前にフッ素配合の洗口液『エフコートメディカルクール香味』を使えば、歯ブラシの届かないところまでフッ素を行き渡らせることができる。ただし、留意すべき点もある。

「フッ素濃度が1450ppmを超えるものは子供には使用しないこと。大人の歯に生え替わる前の6才以下だと歯が変色する可能性があります。子供は500ppmまでが妥当です」(大谷さん)

 歯の大敵は、虫歯だけではない。30才以上の人が歯を失う最大の原因になっているのが歯周病だ。細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯茎が腫れ、進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯の土台のあごの骨が溶けて、最後には歯を抜かなければならなくなる。

 さらに歯周病菌が血管に入り込むと、血栓ができやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞など命にかかわる病気を引き起こす可能性があるというから怖い。

 大谷さんが歯周病予防の観点で推すのは、『システマデンタルペーストアルファ』『シュミテクト歯周病ケア』だ。

「薬用成分が入っているので殺菌効果があり、また、歯周病になると歯茎の位置が下がって知覚過敏になりやすくなりますが、知覚過敏を抑える効果もあります」(大谷さん)

※女性セブン2020年1月2・9日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
左が金井正彰・外務省アジア大洋州局長、右が劉勁松・中国外務省アジア局長。劉氏はポケットに両手を入れたまま(AFP=時事)
《“両手ポケット”に日本が頭を下げる?》中国外務省局長の“優位強調”写真が拡散 プロパガンダの狙いと日本が“情報戦”でダメージを受けないために現場でやるべきだったことを臨床心理士が分析
NEWSポストセブン
ビエンチャン中高一貫校を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月19日、撮影/横田紋子)
《生徒たちと笑顔で交流》愛子さま、エレガントなセパレート風のワンピでラオスの学校を訪問 レース生地と爽やかなライトブルーで親しみやすい印象に
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン