さらに注意したいのがグレープフルーツジュースだ。
「小腸の代謝を阻害する物質は、グレープフルーツの果肉より皮に百倍以上多く含まれるため、他の食材や飲み物より格段にリスクのレベルが高い。しかもグレープフルーツジュースは飲んでから3~4日ほど相互作用が起きうる状態が続く場合もあるので、その間に飲んだ薬にも影響します」(長澤氏)
健康にいい食品のイメージが強い納豆も、特定の薬とセットになると健康を害する怖れがある。
「血栓ができることを防ぐ抗凝血薬に含まれるワルファリンは、血液を固まらせる働きがある『ビタミンK』の働きを阻害する作用を持ちます。しかし、納豆菌は腸内で大量のビタミンKを生み出すため、抗凝血薬の効果を打ち消してしまいます」(長澤氏)
薬の作用を「減弱」する食べ物を摂取すると、もともとの疾患が治りにくくなる可能性がある。これまで気にせず口にしてしまっていた場合、まずはその食べ物を控えて様子を見て、状況に応じて医師に相談する。また、余計なリスクを避けるため、「薬は水で飲む」を徹底したい。
※週刊ポスト2020年1月17・24日号