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2020.01.07 16:00  週刊ポスト

タブーを検証、五輪競技別に存在する「メダルの価値」の違い

卓球女子団体で獲得した銅メダルを手に笑顔の福原(左)、石川(中央)、伊藤(右。写真/共同通信社)

 世界的に見れば、レスリングは米国や旧ソ連圏に加え、同競技を国技とするイランなど中東の国々でも盛んだ。しかし、戒律によって人前での肌や髪の露出が禁じられたムスリムの女性が長く競技に参加できなかったこともあり、男子ほど広く普及しているとは言い難い。

「競技人口=ライバルの多さ=金メダルの難易度」と単純に定義した場合、国内の予選を勝ち抜き代表になることも、五輪で世界の頂点を目指すことにおいても、その道がより険しいのは明らかに女子柔道である。7月24日開幕の東京五輪では、33競技、339種目で等しく「金」「銀」「銅」のメダルが授与される。各種目の競技人口はピンキリとはいえ、これまで日本では、メダルの価値に優劣をつけることはタブー視されてきた。

 確かに、メダリストに貴賤はなく、オリンピアンは誰しも尊ばれるべき存在だが、女子レスリングと女子柔道を比較するまでもなく、メダルの価値というのは競技によって異なってくる。いわばメダルの禁断査定をしようというのが、本稿のテーマである。

◆「競技人口は42人です」

 ならば全世界で約77億人の人類の中から選ばれたアスリートが出場する五輪において、「ライバルの多さ」という観点から最も価値のあるメダルとは何か。真っ先に挙がるのは陸上競技の男子100mだ。特別な道具を用意する必要はなく、単純に最速の人間を決めるという明快な競技である。世界の子どもたちが一度は“かけっこ”の経験があるはずで、それが発展した形である100mの競技人口は全人類が対象という見方もできよう。

 世界の競技人口で見た時に最大規模となる五輪種目は、バレーボールでおよそ5億人だ。次いでバスケットボールが約4.5億人。五輪におけるバレーやバスケは、プロアマを問わずトップ選手が参加する正真正銘の世界一決定戦といえる。

 一方、競技人口が2.6億人という規模を誇るものの「五輪の金メダル=世界一」とは言えないのがサッカーだ。フル代表で戦うW杯とはレギュレーションが異なり、五輪では原則23歳以下という年齢制限がある。

 同じように夏場の開催ではメジャーリーガーの参加が見込めない野球も五輪は、真の世界一を決する大会とは言い難い。国別対抗戦としては、シーズンオフに開催されるWBCやプレミア12の方が参加選手のレベルは上回る。

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