●宗猛氏(旭化成陸上部総監督・設楽派)
大迫はトップ集団のなかで“守りのレース”をするタイプ。たぶん、守りじゃ五輪は勝てない。
MGCでは設楽が飛び出したが、私なら後ろについた。そのままついていき、勝負所でスパートすれば大迫は楽勝だったはず。守り過ぎて、最後のドタバタで3位に終わった。
ペースメーカーがいない五輪では、スタートから誰かが飛び出すなど予想外の展開があり得る。だから対応力のある(すでに代表が確定した)服部勇馬に期待していますが、大迫か設楽なら、一発屋気質の設楽のほうが結果を残すチャンスがあるだろう。
ただ、現実的には設楽の代表入りの可能性は低い。飛び出すスピードは凄いものがあるから、あとは(日本記録更新が代表入りの条件となる)3月の東京マラソンまでに、最後までもつスタミナが蓄えられるかだ。
※週刊ポスト2020年1月17・24日号