◆弁護士の署名、捺印
今回の1902文字の文書作成に立ち会ったのは、徳洲会のグループ会社「徳洲会建物管理」代表取締役の越澤靖久氏だった。越澤氏は虎雄氏の娘婿(長女の夫)にあたる。越澤氏が語る。
「文書は、私が虎雄先生の意思を代弁する形で作成しました。普段は片目が開くか開かないか、といった状態ですが、その日は両目をしっかりと開け、話を聞いてくれました。お付きの看護師に手伝ってもらい、先生の両耳にイヤホンを差し込み、事前にボイスレコーダーに吹き込んだ文書を聞かせ、その中身にも了承してもらっています」
文書の末尾には収録に立ち会った弁護士が、34分間かけて文書を読み聞かせた旨が綴られ、〈虎雄氏の了解を得たと認めた〉と自署、捺印している。
一方、批判を向けられた鈴木理事長に訊くと、「虎雄先生が意思表明するなどありえない」と、文書の信憑性そのものを全面否定した。
「文字盤を目で追い、それを文書化して指示を下す、といったことができたのは2014年まで。2015年に入るとそうした意思疎通も難しくなりました。このことは先生のプライバシーに関わることではありますが、徳洲会全体にも関係することなのであえて申し上げます。
虎雄先生の意思を文書化したものがあると主張するなら、それは『偽造』されたもの。目を開け続けることすらできない状況なんです。越澤さんが虎雄先生の力を借りて何か仕掛けるつもりなら、許されることではない」
◆「看過できない問題でした」