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自律神経医が解説 長時間働いても疲れない休憩の取り方

 あなたは能力的な問題でダラダラ仕事していたのではなく、むしろがんばって仕事しようとしすぎた結果、ダラダラとした仕事になってしまっているのです。

 とはいえ、90分間の集中とて容易なことではありません。学生時代、集中が続かず、講義中にウトウトしてしまったり、最近ならこっそりスマホをいじったりなんてことがあるでしょう。

◆短く区切ればゾーンに入りやすい

 歳を重ねればなおさら、特に30歳を超えると、自律神経の働きが相対的に落ちてきますから、90分間の集中は至難のワザです。そこで45分間。これなら誰でも集中できます。小学生の授業時間も45分間。その代わりあれもこれもと欲張らずに、「これだけはやってしまう」と決め、そこに注力します。

 そして次は15分間の休憩。これがポイントです。この15分間で、それまでの45分間を振り返ったり、冷静に確認したりするのもいいでしょう。次の45分間のための準備時間に充ててもいい。45分間緊張していたはずですから、あくまでリラックスしながら、「休憩」に軸足を置いての準備です。15分間休むことで、45分間の疲労を次に持ち越しません。

 この15分間は「調整弁」の役割を果たします。いわゆるバッファ(緩衝体)ですね。作業の進捗状況に応じて調節できますので、60分間というひとかたまりの中で、仕事が延びて45分間を超えてしまったとしても、無理なく消化することができます。

「ゾーンに入る」という言い方があります。最近は、主にスポーツ関連のニュースで頻繁に耳にするようになりました。「打撃の神様」の異名を持つプロ野球の名選手・川上哲治さん(1920~2013)が、全盛期、「ボールが止まって見える」と口にしたのは有名な話ですね。

 福岡ソフトバンクホークスで活躍する内川聖一選手は、初めて首位打者をとった2008年、ある打席で、「(投手の投げたボールが)目の前でサッカーボールぐらいに大きく見えた」と、のちに語っています。

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