デマだという声が増えつつある今こそ、あらためて正式な声明文を出すタイミングだと小沢さんは考え、早急に文書を作成。日付が変わった18日深夜に、Aさんが代表を務める会社のホームページ上に、デマを否定する声明文を公表した。
【2019年8月18日(日) 夕方以降~現在】
声明文のおかげで事態は落ち着いたが、さらにAさんの無実を決定づける出来事が、18日夕方に報道された。本当の“ガラケー女”が逮捕されたのだ。これで完全に解決したように思われたが、実はこの件に関する被害が、事件から半年たった今でも続いている。
「容疑者の逮捕で、私への疑いは晴れましたが、会社関係者や取引先への説明を兼ねて記者会見を開きました。これですべてが明らかとなり、嫌がらせも収まると思ったのですが…。今回の件で私を犯人に仕立て、それを拡散した人たちへの損害賠償請求をする行為が、“金銭目的の浅ましい行為だ”などという新たな誹謗中傷が投稿されるようになり、それは現在も続いています」(Aさん)
情報がデマだったとわかった後でも、自分が一度してしまった主張に固執したり、この件とは無関係の批判をネットに流す人が後を絶たないという。一度ネットで炎上すると、思いがけない方向へ飛び火してしまうのだ。
「Aさんは、あくまでも被害者です。ですから、誹謗中傷の中でも内容が悪質だった人やリツイートして拡散した人などに対して訴訟を起こすべく動いています。これは当然のことです。今回の件は、犯罪者を懲らしめたいという思いで多くの人が誹謗中傷の投稿を流したのだと思います。しかし、たとえ正義感に基づく行動でも、無関係の人を傷つければ、違法行為になるんだということを知ってほしいですね」(小沢さん)
人を貶めるような情報は信じない、拡散しないようにするべきだと小沢さんは続ける。そしてAさんは、今回のことは誰にでも起こり得ることだと警鐘を鳴らす。
「私に起きた一件が、SNSやインターネットを利用するすべての人の意識を変えるきっかけになってくれればと思っています。それは被害者になり得るんだ、ということだけでなく、リツイートボタンひとつで簡単に加害者にもなり得て、逆に訴えられる可能性もあるんだということも含めてです」(Aさん)
ネットに意見を投稿する際は、一度立ち止まって、情報の真偽を見直す癖をつけるべきだと、Aさんと小沢さんは口をそろえる。自分の素性をさらした状態で言えないせりふは決して吐くべきではないのだ。
※女性セブン2020年2月20日号