手記では、自らの本心や感情と周囲の認識にギャップがあったことがたびたび触れられている。素直に感情表現ができない。話しかけられると、なぜか「ごめんなさい」と思ってしまう。「近寄らないでオーラが出てる」と指摘されることも多かったという。取り調べでもそうした彼女の「個性」が刑事の誤解を招いたことも多々あったようだ。
《警察官は私が「死にたい」と言った時、「あなたより辛い思いをしている人はたくさんいるんだ」と言った。(略)
「結愛ちゃんのために生きて償え」と言われるが、私はこの言葉が大嫌いだ。
「生きて償う」という言葉は生きたい人のためのものであって、私のような立場の人間で本当に生きて償っている人は、この世に何人いるのだろうか。ただ死ぬのが怖いから、そう思おうとしているだけではないか。(略)私は刑事の話を聞いて「どうしてありきたりのことしか言えないの? 余計に死にたくなったんだけど」と正直思った》
《まだ任意の調べ中、この刑事は「僕はあなたを許さない」と怒りの涙を流しながら私に訴えた。そうだよね、結愛の体と部屋中に張りめぐらされた結愛のやらなくちゃいけないリストの貼り紙を見たら、誰だって許さないと言うよ。(略)私が置かれている立場は加害者である。どんなに結愛を愛していたって言っても、どれだけ結愛を可愛がっていたとしても、結果を見れば誰も私の訴えなど信じられないのだろう》
※女性セブン2020年2月20日号