ネイサンと宇野に負けたことで、羽生はまず食生活を見直したという。
「羽生選手は、新しい衣装を作るたびに鏡をのぞきながら胸や肩を素手でさすって、『筋肉がついて体が少しずつ変化している』と話すんです。スケートはわずかな体重の増減でジャンプが跳べなくなる繊細なスポーツ。体形の変化と筋肉、体重のバランスを考えた食事をお母さんも考えているようです」(前出・スケート連盟関係者)
勝つために土壇場でプログラム変更を決断した羽生が、もう1つ決断を迫られているのが「コーチ変更」だ。
「羽生選手は、ブライアン・オーサーコーチとの関係解消も視野に入れているといわれます。実際、昨年11月のNHK杯後のインタビューで、ロシア人コーチへの変更を示唆して周囲を驚かせました。オーサーコーチとの関係が悪化したわけではなく、“2年後の北京五輪で勝つために、何かを変えなくてはならない”と熟考し、浮かんだ選択肢なのでしょう。北京から2年前の今であれば、まだ新しいコーチと修正しながら完成形に近づけられる。近い将来、電撃的なコーチ変更があっても不思議でありません」(前出・スケート連盟関係者)
北京五輪を目指す羽生にとって、「四大陸フィギュアスケート選手権」(2月4日~9日)でのプログラム変更は「北京で勝つ」というゴールの通過点に過ぎない。羽生は今季使用していたショートプログラムの『秋によせて』を『バラード第一番』に、フリープログラムの『Origin』を『SEIMEI』に変更した。
「今回の大会では、4回転半を跳びませんが、今後ネイサン選手に勝つためには、誰も跳んでいない4回転半を入れるしかない。そのためにはまず自信を取り戻すことが大切。だからこそ四大陸でプログラム変更し、ノーミス演技で優勝。『スーパースラム達成』という弾みをつけたいのでしょう。実際に彼は過去のインタビューで『SEIMEIではジャンプがきれいに跳べる』と発言しています」(スポーツ紙記者)
最近、羽生は女性誌のインタビューでこう話している。
《これから先も、苦しんだり悩んだりすることもあるかと思います。それでも、いったん区切りがついたので、ここからまた、「頑張ったね」といえるような努力を重ねていきたいと思います》(『家庭画報』2020年2月号)
絶対王者の再進撃が始まる。
※女性セブン2020年2月20日号