芸能

芸人の世界は“隙間産業” 飽和状態で生き残るための苦心

お笑い芸人が売れていく過程とは

 お笑い芸人の世界は、上の世代がずっと活躍しているので下の世代がつまっている。50~60代で活躍している芸人も多く、もちろん定年もないので、本人が辞めると言わない限り今後も活躍し続けるであろう。そうなると一層大変なのがその下の世代だ。まだ売れていない20~40代の芸人はどうにかして世に出ようと考えている。

 まず芸人が考えるのは自分のキャラである。どういう芸人としてやっていくのか、ネタにも影響があるのでここが重要だ。見た目のキャラを押し出す芸人は多い。例えばデブキャラやブサイクキャラなどである。見たらすぐにわかるので芸人の武器として利用しやすい。

 しかし、同じキャラで他の芸人と被ってしまうと、意味がない。いかに“隙間”を見つけるかが勝負となる。たとえば、今までのブサイクキャラは容姿をいじられてそれを笑いにしていたが、ブサイクである本人が自分をいじって笑いをとるという新たなジャンルを見つけたのがお笑いコンビ・アインシュタインの稲田直樹だろう。今までのブサイクキャラ芸人はネガティブなキャラだったのだが、ブサイクをポジティブに受け止め、それウリにして笑いをとるという隙間を見つけ彼はうまく対応していると言えるだろう。

 芸歴12年目の芸人Aさんに話を聞いた。

「僕は養成所に行っていたのですが、そこで印象に残っているのは、芸人は隙間産業であるということでした。そもそも、『ネタのパターンはほぼやり尽くされているけど、まだどこかに隙間があるからそれを探しなさい。やったもの勝ちだから』と言われました。その隙間を見つけようといろいろ挑戦しているのですが、それが未だに見つかっていないんですけどね」

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