■苦しさにぶつかり、それを突破して行くところに、男の価値がある
『マス大山の正拳一撃』(大山倍達著、市井社、1994年)
・大山倍達(空手家)1923~1994
極真会館を設立し、数多くの門弟を輩出した空手界の大家・大山倍達。日本古来の武道文化を後世に伝えようとした大山は、進路に悩む若者から相談を受けた際、一切甘やかすことなくこう厳しく応じたという。
それは大山が、「困難を前にした時、まず逃げ道を探す者は他の世界に行っても何も残せない」と考えていたからである。
■勝負は実力5、運3、調子2の割合である
『西鉄ライオンズ最強の哲学』(中西太著、ベースボール・マガジン社新書、2007年)
・三原脩(プロ野球監督)1911~1984
弱小チームだった西鉄ライオンズや大洋ホエールズを日本一に育て上げ、「球界の魔術師」「知将」と評された稀代の名監督・三原脩。
三原のマネジメントにおける基本的な考え方は“超合理主義者”でありながら、運やツキも重視した。その原点には、ビルマ戦線で自ら前線行きを志願した過去がある。後方の留守師団が全滅するなか死地をくぐり抜けた三原だからこそ、こと「勝負」において、人知を超えたものの存在を否定しなかったのである。