【山脇学園中学/探究サイエンス入試】
2校目は山脇学園中学の「探究サイエンス」入試です。試験は図書館内にある自習室で行われました。課題はこうです。
〈問題文〉“サイコロ”はだれもが一度は使ってみたことがあるはずです。一般的なものは正六面体で、一番上の面になる数字すなわち“出目(でめ)”は、どれもが同じような割合で出ると考えられます。
それでは、サイコロ全体の重さのバランスにかたよりがある場合、それぞれの出目の出やすさはかわるのでしょうか。
まずは自分なりの仮説を立てましょう。そして、その仮説が正しいかどうかを確かめるために、用意されたサイコロの展開図、小さなおもり、小さく切ってある両面テープ、セロハンテープ等を使って、重さのバランスにかたよりのあるサイコロを実際につくり、試してみましょう。
ただし最初につくるサイコロは、小さなおもりを必ずサイコロの「1」の面の内側に1個だけはり付けます。なお、用意された展開図と小さなおもりを全部使う必要はありません。
この問題用紙は『仮説』から『研究を深めるためには何をするか』までの考えを進めるためのメモ用紙として使用しなさい。それをもとにして、解答用紙に“発表ポスター”としてまとめなさい。ポスターには『仮説』から『研究を深めるためには何をするか』までの全ての項目をのせること。このポスターを採点対象とします。なお、ポスターの向きは自由です。※問題はここまで
私は自習室の外からずっと観察していましたが、サイコロを作り(ハサミ使いの上手下手、手際の巧拙がモロに出ます)、1つだけの子、2つの子、3つの子といろいろでした。重しを入れ、何回も実験するプロセス自体に個人差が大きく、この部分を評価してもいいのではないかと思ったくらいです。ポスターといっても交通標語のようなものではなく、文化祭で研究発表する模造紙の小型版と捉えてください。
タイトルをつける子、図解する子……それこそ表現力の差がストレートに観察できました。『仮説』『実験についての注意点』『結果』『考察』『研究を深めるためには何をするか』までを記述しながら進めるわけですから、深く考える力、それこそ「探究力」がなければ太刀打ちできません。
やり終えて自習室から出てきた受験生の表情を観察しましたが、だれもがやり終えた達成感のようなものを漂わせていたことが印象的でした。これとは別に理科の4分野の問題もあり、総合点で選抜する入試でした。