聖学院中学の「ものづくり思考力」入試

聖学院中学の「ものづくり思考力」入試

◆私立中高一貫校はその方向を明確に意識

 この2月、数校の私立中学の入試現場に立ち会わせてもらいましたが、それらの学校の中から特徴的な入試問題をご紹介しましょう。

【聖学院中学/ものづくり思考力入試】

 まず1校目は聖学院中学の「ものづくり思考力」入試です。レゴを使って作品づくりしながら設問に答えていくというユニークなものです。以下、〈問1〉~〈問4〉まで

〈問1〉あなたが「ついうっかりやってしまう失敗」は何ですか? LEGOを使って表現してください。また、出来上がった作品について「いつ、どこで、誰に、何を」を入れて150字程度で説明してください。

〈問2〉次の文書と別紙資料を読んで、あとの問いに答えなさい。
(1)グレタ・トゥーンベリさん/温暖化のしくみ (2)温室効果ガスの特徴 (3)世界TOP6の二酸化炭素排出量の推移 (4)日本の二酸化炭素排出量の推移──など9資料(別掲図参照)。あなたが気になった資料の番号と、気になった理由を書いてください。

スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんも問題に(聖学院中学)

スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんも問題に(聖学院中学)

〈問3〉あなたが考える持続可能な社会に向けて、日本の気候変動に対して具体的にどのようなことについて取り組んでいけばいいと考えますか? LEGOを使って表現してください。(中略)また、出来上がった作品について150字程度で説明してください。

〈問4〉もし、現在の原子力、天然ガス、石油、石炭のエネルギーがなくなったとしたら、あなたはどうしますか? 別紙資料を参考にして、150字程度で答えなさい。

 試験時間は、試験80分+休憩10分+共有10分でした。「共有」というのは、4人1組のグループで、お互いに作品の制作意図などについて発表するものです。

 わざわざこうした試験を受けにきた小学生ですから、LEGOが好きで、みな楽しそうに臨んでいました。作品もそれぞれ個性溢れるものが多かったです。

 一見奇をてらった入試のように思われた方もいるかもしれませんが、まさに先に記した文章・図・資料などの複数の情報から必要な情報を読み取る力や、読み取った情報を比較したり組み合わせたりして、課題を解決する力を問うているのです。

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