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レーシックとインプラントは本当にやる意味があるのか

大きなリスクを伴うというインプラント(写真/アフロ)

 感染症による脅威は収束する気配を見せない。ほんの少しの体調不良でも、「念のため」「万が一のことがあったら」と、病院へ行っていないだろうか。しかし、それが健康や命に影響を与える危険がある。今必要なのは、本当に受けるべき医療を見極める力だ。そこで専門家に意味のない医療について聞いてみた。

◆初期虫歯の治療 虫歯を繰り返す原因になる

「すぐに削りましょう」と言われたら、医師を疑った方がいい。東陽町歯科医院院長の大谷直さんが指摘する。

「黒っぽく見える初期段階の虫歯は、正しくケアすれば自然治癒する可能性があるので削らないのが最近の流れです。歯を削って被せものをしたりすると、その隙間に歯ブラシが届きにくくなるので、菌がたまって虫歯になりやすくなるケースもあります」

 虫歯治療を繰り返して神経を抜くと、再び虫歯になっても痛みを感じなくなるため、放置する人も少なくない。その結果、抜歯に至ることもある。初期虫歯を削るのは最終手段と心得よう。

◆インプラント 顎関節症で体調不良になる

 保険が適用されないインプラントは、1本30万~50万円と高額だが、リスクは大きい。

「インプラントにすると歯周病にならないと思い込んでいる人が多い。きちんと歯磨きをしないと、当然、歯周病になりますが、神経がないので痛みを感じず気づかないうちに歯周病が進行していることがある。さらに、インプラントを数十本入れると、かみ合わせがずれて、顎関節症になることもあります」(大谷さん)

 自費診療の方が優れていると早合点せず、まずは保険適用の義歯から検討するのが最善策だ。

◆白内障の多焦点眼内レンズ 遠近ともに見えづらくなる

 白内障の手術を受ける際、老眼の矯正をかねて遠近両用の「多焦点眼内レンズ」を選ぶ人も少なくない。保険が適用されないため、片目で数十万円もかかる手術になるが、道玄坂加藤眼科の加藤卓次さんは「金額分の価値が必ずしもあるわけではない」と言う。

「的確に遠近いずれかにピントを合わせられる『単焦点レンズ』と違い、多焦点レンズは、遠くも近くも中途半端。保険が適用される単焦点レンズで充分です」

◆レーシック手術 夜間の光に過剰反応を起こす

 角膜を削って視力を矯正するレーシックは、患者によって満足度に大きな差が出る。

「強度の近視や乱視の人は、角膜を削る量が多くなるため夜間の光がまぶしくて目が開けられなくなるといった副作用が出やすい。また、老眼が進む45才以上の人が受けると、ますます手元が見えづらくなります」(加藤さん)

 高い満足度を得られるのは、軽度から中度までの近視及び乱視で、年齢は20~40才まで。当てはまらないのなら、メリットはないだろう。

※女性セブン2020年3月12日号

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