佐藤義則氏はダル、田中将大らを育てた名伯楽(撮影/桜井哲也)
当時、誰もが楽天が優勝できるとは思ってなかったと思います。でも私は就任1年目から優勝できると思っていました。現に1年目でCSに出ましたしね。CS最終ステージでの日本ハム戦第一戦(2009年10月21日)で、ベンチワークのミスが原因で負けたけど(球界では「福盛の21球」と呼ばれる)、こっちは田中(将大)と岩隈(久志)が残っていたし、日本ハムはダルビッシュ(有)が投げられないから、この試合にさえ勝てば絶対イケると思っていました。最後はスレッジに満塁弾を打たれてサヨナラ負け。この試合を勝たせてやれなかったことで最終ステージを敗退し、結局野村さんが辞めることになりました。そういう苦い思い出もありますね。
とにかく野村さんにも、星野さんにも「コイツは良いコーチだ」って世の中に言ってもらい、私もすごく嬉しかった。特に野村さんがそう思ってくれたのは、本当にありがたいなと感じながらコーチ業に励んでいましたよ。
◆取材・文/松永多佳倫