多列のCTを使えば短時間で撮影できるため、被曝量も少なくてすむ。最近では、立ったまま撮れるCTも開発が進んでおり、例えば立った状態で背骨にどんな負担がかかっているかを見ることも可能になるという。
MRIは1973年に原理が考案され、1981年に日本でも開発が始まった。
「MRIの歴史は画質との戦いで、強い磁場ができればそれだけ画質が上がる。磁力線の束の密度は『テスラ』という単位で表わしますが、昔は永久磁石を使って0.2テスラや0.3テスラがせいぜいでした。それが今は1.5テスラ、3.0テスラのMRIが開発されています。
1.5テスラと3.0テスラでは診断能に差がなかったという論文も出ていますが、脳の血管は明らかに3.0テスラのほうが鮮明に、細かいところまで見えます」(島村医師)
1.5~3.0テスラといった高出力ではないものの、従来と同程度の出力を保ち、かつ閉所恐怖症で検査器に入れないという人のためにオープン型のMRIが登場。こちらはMRI独特の“ゴウンゴウン”という音が抑えられるメリットもある。性能面だけでなく、患者の負担を減らす進化もみられる。
※週刊ポスト2020年3月20日号