Laviewは大きな窓も特徴のひとつ(時事通信フォト)

Laviewは大きな窓も特徴のひとつ(時事通信フォト)

 昨年、西武は特急列車「レッドアロー」号の運行開始50周年という節目を迎えた。それと同時に、新型特急001系「Laview」を新登場させている。

「Laview」は、これまでの鉄道業界の常識を覆す斬新な外観デザインの特急車両で、その開発コンセプトは”いままでになかった、まったく新しい特急列車をつくろう”というものだった。

 デザインを担当したのは、建築界のノーベル賞とも形容されるプリツカー賞を2010年に受賞した建築家の妹島和世さんだ。

 これまでの鉄道車両は事故に耐えられるための強度を保持すること、火災発生を想定して不燃性を高めるといった安全性の観点から、見た目は後回しにされてきた。なにより、トンネルや駅舎などの寸法とも合わせなければならず、橋梁や線路に負荷をかけないためにもサイズや重量にも制約があった。

 そのため、鉄道車両のデザインには自由度が少なく、どうしても似たような外観にならざるを得なかった。しかも武骨かつ無機質。メカ的な魅力から男性が惹きつけられることはあっても、女性ウケすることは少なかった。

 また、車両デザインを担当するデザイナーは、男性ばかり。そのため、男性がかっこいいと感じるようなデザインが主流になっていた。鉄道車両というハード面に関しては、明らかに男性中心の世界だった。

 建築家として世界で実力を認められている妹島さんを”女性”建築家と、性別で区別するのは大変失礼だが、それでも、やはり鉄道車両の分野で”女性”の建築家・デザイナーが活躍することは皆無で、ゆえに妹島さんの活躍は鉄道の新時代を予感させるものだった。

 西武特急「Laview」のデザインを手がけた妹島さんだが、西武が新型特急のデザイナーに妹島さんを起用したのは、単なる話題づくりではなく、偶然の産物でもない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン