東大の2次試験会場(時事通信フォト)
大手予備校によると、「今年の東大入試は英語と数学が難しく、数学は難し過ぎてあまり差がつかず、結局、難化した英語の成績で合否が左右され、英語の得意な生徒の多い女子の合格者が増えたのではないか」という。
その影響か、男子校では合格者を減らすところが多かった。昨年3位だった麻布(東京)は40人減の60人にとどまり、大きく順位を下げた。昨年4位に躍進して過去最高の合格者数だった聖光学院は31人減。大阪星光学院(大阪)が14人減の6人だった。
その男子校で合格者を増やしたのが海城(東京)で13人増の59人だ。高校募集を停止し、帰国生の受け入れを本格化した。これによって、より一層、英語教育に力を入れたことも実績が伸びた理由と見られる。
共学校でも合格者が大きく減少しているところもある。久留米大付設(福岡)は20人減の30人。昨年は福岡の学校として初めてトップ10に入った。今年は一昨年の23人を上回ってはいるが大きく減少した。
国立の東京学芸大付(東京)は17人減の28人だ。同じ東京の国立共学校の筑波大付36人を下回った。東京学芸大付が筑波大付を下回るのは、筑波大付がまだ教育大付と言われていた1972年以来、ほぼ半世紀ぶりのことだ。中学入試の偏差値で、東京学芸大付は筑波大付に大きく差をつけられていることも要因の一つだろう。
さらに、今年の東大入試では関東地方以外からの合格者が増えたのも特徴だ。東京は昨年の37.1%から35.3%にダウン。関東地方全体でも59.1%から57%にダウンした。
その分、中部、中国地方を除いた地方で合格者が増えた。東大が入学を望む地方、女子学生が増加した結果といえる。関東地方外の学校からは、8人増の富山中部(富山)、岡山朝日(岡山)、北嶺(北海道)、北野(大阪)、大阪桐蔭(大阪)などが伸びている。