国内

徳島市長選、阿波おどりと利権巡る2派の代理戦争的様相に

阿波おどり改革はどうなる?(時事通信フォト)

「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々」で知られる阿波おどり。徳島市長選挙(4月5日投開票)の裏側で、その阿波おどりを巡る“因縁”が渦巻いている。

 3月下旬夕刻、市内中心部を流れる新町川のかちどき橋に、ピンク色のジャンパーや幟でそろえた一団がいた。ハンドスピーカーを手に政策を訴えていたのは、市長選挙に立候補を表明した新人の内藤佐和子氏(35才)。東大卒の会社役員で、在学中に多発性硬化症という難病にかかった経験をまとめた著書『難病東大生』(サンマーク出版)がある。

 その内藤氏を“全面支援”するのが、阿波おどりの踊り子らでつくる阿波おどり振興協会だ(以下、振興協会)。

「協会員に一斉メールがきて、振興協会として内藤さんを支持することになったと言うんですわ。かちどき橋での街頭活動に参加するように求めるメールも来た。どんなもんやろと行ってみると、振興協会の関係者がたくさんでした」

 そう話すのは、振興協会に所属する有名連のメンバーだ。なぜ踊り子らの団体が市長選に熱心にかかわるのか。

 ことの発端は、4年前に現在の遠藤彰良市長(64才)が就任した頃に遡る。四国放送の人気アナだった遠藤氏は市長選に当選すると、「阿波おどり改革」に乗り出した。

 それまで阿波おどりは、市の観光協会などの主催だった。年間120万人もの集客がある巨大イベントなのに、毎年のように赤字。累積で4億3600万円まで借金が膨れ上がっていた。

「原因は観光協会などの放漫な運営です。市の調査で不適正な会計処理や、桟敷席や照明などの工事の発注で複数から見積もりを取らずに業者を決めていたことなどが明らかになった」(地元記者)

 その赤字は徳島市が税金から補償しなくてはならず、市民の立場から放置できないと判断した遠藤市長は、観光協会を破産させ、運営を民間に委託するという大ナタを振るった。それに強く反発したのが振興協会だった。

「振興協会の山田実理事長らは、遠藤市長のやり方がいかに横暴かをマスコミに訴え、全国的なニュースになった。対立が決定的になったのは、2年前、市長が委員長だった実行委員会が振興協会に所属する有名連のフィナーレの群舞『総おどり』の中止を決めたことです」(前出・記者)

関連記事

トピックス

ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン