天井や荷物の隙間など、納屋は猫が入り込みそうなスペースが多い。念入りに捜索する

◆素手での捕獲は難しい。捕獲器を活用する

「この辺りかもしれない」

 時に藤原さんから心強い言葉が聞かれる。捜索範囲を着実に絞ることによって、“手応え”が感じられたようだ。

 夕刻、リードが見つかった場所に戻り、斜面の上に捕獲器を設置。モグの好きなエサを入れた。捕獲器を仕掛けても、一度失敗すると、猫は怖がって同じ仕掛けに二度と近寄らなくなってしまう。そのため、タフで精巧な作りの捕獲器をアメリカから取り寄せた。

「素手で捕獲するのは私でも難しい。飼い主さんが名前を呼んで近づいても逃げてしまうケースも少なくありません。そこで、頑丈なステンレス製の捕獲器を活用しています」

 その後、近所の人から目撃情報が入ったが、残念ながらモグではなかった。

 さらに2日後。朝7時に茂夫さんが捕獲器を見に行くと、ガサガサと音がする。あわてて中をのぞくと、首輪をつけたままの少しやせたモグがおとなしく座っていた!

「もう会えないかもしれない、と思ったりもしたから、モグの姿を見たときは震えるほどうれしかったです。私を見つめ返すモグの目が印象的で、本当に感動しました」

 茂夫さんはそう歓喜し、家族みんなで涙した。以来、モグはこれまで以上に茂夫さんたちにベッタリですよ、と弘樹さんは微笑む。

 ペットが逃げてしまったときは闇雲に捜すのではなく、その動物の習性や性格などを考える。また、ひとりで頑張りすぎないことも大切だ。近隣住民の協力や、SNSを通じて得られる第三者の力、さらには藤原さんのような専門業者に頼るのもいいだろう。

 ペットレスキューの場合、捜索は1日8時間作業となり、2万円+税に加え、交通費などの経費がかかる。さらには迷子に備えて、首輪に連絡先の記載、マイクロチップの活用、脱走防止柵の設置も有効だ。愛する家族は日頃から大事にしたい。

●失踪してしまった場合の猫探しアドバイス

(1)いなくなった翌日までに迷子になった日時や場所、猫の特徴、連絡先などについて届を出そう。地域の交番や警察署→けがをしていたり衰弱している場合、保護されていることがある。

(2)市区町村の保健所・生活衛生課管理係→迷子の猫がいるかを確認し、該当する子がいるなら直接足を運んで確認を。いない場合は速やかに届け出を出す。

(3)都道府県の動物愛護センター→警察署や保健所から移送された犬猫が収容されていることがある。

(4)地域の清掃事務所→事故などにより路上で死んでしまった場合、回収されている可能性もある。

(5)地域の動物病院→けがで運び込まれているかも。

撮影/大塚七恵

※女性セブン2020年4月9日号

捕獲器を仕掛けても、一度失敗すると、猫は怖がって同じ仕掛けに二度と近寄らなくなってしまう。そのため、タフで精巧な作りの捕獲機をアメリカから取り寄せた

捕獲時にやせていたモグはすっかり元通りに。のんびりリラックス

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