国内

ロックダウンで何が起きるか、DV増加や外出禁止違反で罰金も

「不要不急の外出は控えて」という都知事からの要請後、週末の都内は閑散(3月28日、渋谷駅前 写真/時事通信フォト)

 新型コロナウイルス感染防止の目途がつかないなか、現実味を帯びるのが「都市封鎖(ロックダウン)」だ。

 そのとき、いったい何が起こるのか──。日本に先んじてロックダウンを決めた各国の様子が参考になる。

 フランス・パリではまず保育園、小中高校、大学、美術館などを閉鎖し、次に食料品などの必需品を扱う店を除くすべての店を閉鎖した。続いてマクロン大統領が「私たちはウイルスとの戦争状態にある」と宣言し、2週間の自宅隔離と違反者への罰金を科す処置を断行した。

 パリ郊外在住のジャーナリスト・羽生のり子さんが言う。

「ロックダウン直前にはスーパーや薬局に長蛇の列ができて食料品やトイレットペーパーが売り切れましたが、10日ほど経つとだいぶ落ち着きました。ただし米とパスタはまだ品薄が続いています」

 原則として外出禁止だが、「例外的移動証明書」を持参すれば近所に出かけられる。

「テレワークができない必要不可欠な仕事や、生活に必要不可欠な買い物、通院などは認められます。証明書を持っていなかったり、規則に違反すると罰金135ユーロ(約1万6000円)。4回違反すると罰金3750ユーロ(約45万円)と半年の収監が科されます」(羽生さん)

 フランスではロックダウンの意外な副作用が生じた。

「外出禁止になってから、家庭内暴力(DV)が増加したと報じられました。もともと暴力をふるう人がコロナ自粛のストレスでますます暴力的になり、自宅にいる時間が長くなった配偶者が逃げるタイミングを失うとされます。一方でDVから逃げるために外出するのは可能だとも報じられています」(羽生さん)

イタリアでは病床数が足りず、簡易ベッドでの治療が続けられる(写真/アフロ)

 アメリカ・ニューヨークでは、生活を支えるインフラに従事する人以外は在宅勤務となり、学生にはオンライン授業が行われる。レストランはデリバリーとテイクアウトのみで、有名な5番街やブロードウェイからは人が消えた。

 イギリスでは3人を超える集まりは禁止され、必需品を扱わない店舗は閉鎖を命じられ、違反者は罰金を科される。

 残念ながら長期化も覚悟する必要がありそうだ。

 パリのロックダウンは当初3月17日から3月31日までとされたが、4月15日まで延長された。

※女性セブン2020年4月16日号

関連記事

トピックス

鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン