中国各地では、この黄山と同じような状況が展開された。上海では人気スポットの黄浦江沿岸の外灘(バンド)公園一帯が数週間ぶりに開放され、買い物客や観光客でにぎわった。わずか数日前まで閉店していた市内のレストランも繁盛している様子だった。首都・北京でも人々が市内の公園や広場に詰めかけた。
しかし、これに対して、中国疾病対策予防センターの専門家は党機関紙『人民日報』の取材に対して、「ウイルス感染は終わりに近づいたのではなく、新しい段階に入ったのだ。世界的な流行が猛威を振るうなかで、中国に帰国しようとする人々が中国にウイルスを持込み、再び感染が流行する可能性は消えていない」と指摘している。
香港大学で疫学・生物統計学を専攻するベンジャミン・カウリング教授は香港の英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』の取材に対し、「ほとんどの国が今年の残りの期間、大量の人々が集まることを禁止し続けても、私は驚かないだろう」としており、ウイルス感染終息はまだまだ先が見えないようだ。