工夫のやりようもあるわけで、ライブハウス・ロフトプロジェクトの副社長に聞いたところ、無観客ライブのネット中継をしたところ、「通常の営業よりも売り上げが多いものがありました」とのこと。3人の演者がいてツイッターのフォロワーが合わせて30万人もいれば、2000円であっても1000人ほどが観るかもしれない。

 娯楽への欲望はあるわけで、無観客の競馬も健闘している。3月29日に行われた第50回高松宮記念は、127億円超を売り、前年を0.4%上回った。

 今回の災禍は誰にとっても他人事ではなくなったが、これまで我々は様々なことを他人事扱いしてきた。直近の話でいえば「暖冬」だ。各地のスキー場が営業できない事態に追い込まれたが、果たしてスキー業界は「補償をしろ!」の大合唱をしたか。自然の力には敵わないと割り切ったのだろう。また、スキー場の場合は春~秋は畑を耕す高齢者が冬の間だけ働く側面もあるため、知り合いのスキー場バイトの高齢者は「今年はゆっくり休むか」と開き直っていた。それにしても経営陣の苦難たるや、暖冬を恨んだことだろう。

 そして、今回有事の強さが明らかになったのが「大家」である。飲食店が廃業する理由の多くは家賃が払えないことだ。私も素人エコノミスト様になってみるが、不動産を持っている人間は裕福な割合が多いのだから、この際「家賃3か月無料」とでもやってあげたらいかがか。その後は儲けから返してもらう、ということで。あとは無料にしてあげた大家への助成も行う。まぁ、これも自分勝手だけど、不労所得がある人が羨ましいよ、ホント。

●なかがわ・じゅんいちろう/1973年生まれ。ネットで発生する諍いや珍事件をウオッチしてレポートするのが仕事。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』など

※週刊ポスト2020年4月24日号

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