インバウンドバブルが消滅した銀座の街並み

インバウンドバブルが消滅した銀座の街並み

◆インバウンドの需要が激減

 新型コロナの感染爆発もあって、休業を決める前から訪日観光客(インバウンド)の需要激減が百貨店の業績を直撃した。

「平日は中国人客がほとんどだった化粧品売り場はガラガラ。免税品フロアはもっと酷い。賑わっているのは地下の食料品・惣菜売り場だけ」(大手百貨店の有力店の店長)

 中国当局が1月末に実施した団体旅行の規制に加え、日本政府が3月9日に中韓両国からの入国制限を強化したことで訪日客が姿を消したのである。大丸松坂屋の3月の免税売上高は前年同期比で97%減、高島屋92%減、三越伊勢丹90%減と需要が一気に消失した。特に、訪日客に人気が高い化粧品販売が不振で、大丸松坂屋の化粧品の売り上げは6割も落ち込んだ。

 その結果、大手百貨店5社の3月の売上高(既存店ベース、速報値)は前年同月比で過去最大の落ち込みを記録した。

 大丸松坂屋百貨店は43.0%減、三越伊勢丹39.8%減、高島屋35.1%減、そごう・西武が31.9%減。関西はエイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店)が38.1%減だった。インバウンドの御用達店として知られる三越銀座店は実に55.1%減となった。

 百貨店は山あり谷ありだ。バブル崩壊後の日本経済の落ち込み、2008年のリーマン・ショック、2011年の東日本大震災と続き、市場縮小に歯止めがかからない。この間、2014年からの中国人による「爆買い」で、やっと息を吹き返したところだった。関西国際空港がLCC(格安航空会社)路線に特化したことから、大阪の繁華街、心斎橋は中国人などで埋め尽くされた。百貨店売り上げは「西高東低」の傾向が顕著になっていた。

 しかし、コロナショックでインバウンド・バブル需要も剥げ落ちた。4月は完全にゼロに近づく。

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン