国際情報

「アフターパンデミック」の世界を韓・英・仏などの識者が予測

イギリスで日用品を売る移動販売車。もともとはアイスクリーム屋(AFP=時事)

 米国ではトランプ大統領が早期の都市封鎖解除を推し進めようとしていることに批判も出ているが、世界でも冷静な判断をできる人は多くはない。医学・生理学分野からも、警鐘を鳴らす声が聞こえてくる。

 イギリスでは、政府のコロナ戦略に影響を与えたインペリアル・カレッジ・ロンドン疫学・数理生物学のニール・ファーガソン教授は、政府の初動をこう評価する。

「中国で起こったことは遠く離れた出来事で、イギリスで起こるかもしれないと考えることは難しかった。イギリスがロックダウンするまでの2~3週間の間に、イタリアで起きたことが証拠となり、イギリスでも同じように起こりうるという考えが明確化したのだと思います」

 今後のプロセスには悲観的だ。

「多くの研究がリアルタイムで行なわれており、それが政策に反映され試行錯誤が繰り広げられている……国民医療サービスを機能させながら、現在よりも経済的、社会的活動を継続できる最善の策があるのか? それがどのようなもので、本当に実現可能なものなのか、私にはよくわからない。私たちは現在、明確な出口戦略を持ち合わせていません」(4月7日付フィナンシャル・タイムズ紙)

 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の発見でノーベル生理学・医学賞を受賞したフランスのフランソワーズ・バレ=シヌシ教授は、現在のコロナウイルスの危機と1980年代のHIV流行との類似点をこう指摘する。

「エイズ流行の初期段階において、人々はヒステリーになり、不安にさいなまれ、それは時に不合理で理性に欠けたものでした。そして、矛盾したり誤った情報に起因することもありました」

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