芸能

コロナ禍でも放送継続『キラメイジャー』、大人が楽しめる理由

話題の『魔進戦隊キラメイジャー』(公式HPより)

 今、何かと注目を集めている戦隊ヒーロー作品が『魔進戦隊キラメイジャー』(テレビ朝日系)だ。主人公のレッドを演じる小宮璃央(17才)が新型コロナウイルスに感染し、4月9日に退院したこともニュースになった。緊急事態宣言の影響で撮影はストップしたままというが、今のところ放送は継続されている。そこで、大人にもファンの多いこの作品の見どころについて、コラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 以前からスーパー戦隊シリーズは、登場人物やアイテム、マシンなどの名前を覚えるだけでも、日曜朝からかなり頭を使うと思っていたが、『魔進戦隊キラメイジャー』は、さらに気になる言葉がいっぱいで油断ならない。

“スーパー戦隊史上、もっともキラキラ輝くヒーロー”といわれるキラメイジャーは、5つの宝石と共鳴した五人の戦士が世界を闇でそめようとする“ヨドン軍”から地球を守るというストーリー。よってあちこちに輝きや煌めき関連の言葉が散りばめられているのだ。もともと5つの宝石を地球に持ち込んだのが宝石の国クリスタリアの王女マブシーナ姫で、キラメイジャーをまとめる地球防衛組織はCARAT(カラット)。ちょっと気弱な高校生のキラメイレッドの名前が「熱田充瑠(じゅうる)」と文字通りのキラキラネームといった具合。演じる小宮璃央にも「瑠璃」の璃の字が輝いている。

 これだけでも脳内がチカチカしそうだが、まだまだ別の言葉遊びもある。驚いたのは、第二話でキラメイジャーが忙しくて敵との戦いに参加できないという話のとき。もともと私がこの番組に注目したのは、キラメイブルー押切時雨(しぐる・水石亜飛夢)が戦隊ヒーローとして活動しながら、時代劇の主役も務めており、『輝きのトビラ』という『情熱大陸』みたいなドキュメンタリー番組で追っかけられるほどの人気者だから。

 時代劇好きとしては応援せねばと思ったのがきっかけだったが、他のメンバーもキメライイエロー射水為朝(木原瑠生、彼にも瑠璃の璃が!)はeスポーツのトッププレイヤー、キラメイピンクの大治小夜(工藤美桜)は美人すぎるスーパードクター、キラメイグリーン速見瀬奈(新條由芽)は100メートル走の日本記録を持つ女子陸上界のスターとそれぞれの現場で輝き、忙しい。

 二話では瀬奈が大事な大会に出場している最中で身動きがとれないという事態が発生。そこで充瑠は叫ぶのだ。「ひらめキーング!!」。どうするのかと思ったら、マブシーナ姫の目から零れ落ちた青いダイヤで人型を作り、触れた人間そっくりのレプリカにするのである。いざとなれば、それを代役にすればいいというのが、充瑠のひらめき。それを観たCARATの代表・博多南(古坂大魔王)は早速例の動きで「だいやくとダイヤで『代役ン』」と命名してしまった。

 なお、「代役ン」の助けもあって、無事、強敵ラグビー邪面を倒したキラメイジャーだったが、勝利の喜びもそこそこに「ごめん、今度は私が」というキラメイピンクと「俺も撮影が」というキラメイブルーは職場へダッシュ。その後、残った三人は合体してさらなる戦いを繰り広げた。兼業ヒーローは大変なのだ。

『魔進戦隊』の魔進もマシンだし、彼らのキャッチフレーズ「キラッと参上!カラッと解決!」もカラットか…と後から気づく始末で、こうして書いていても、もっと大事な「言葉」を見落としているような気がしてくる。とはいえ、在宅時間が長い今日この頃、キラキラ戦士に刺激をもらうのは悪くないです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

AIの技術で遭遇リスクを可視化する「クマ遭遇AI予測マップ」
AIを活用し遭遇リスクを可視化した「クマ遭遇AI予測マップ」から見えてくるもの 遭遇確率が高いのは「山と川に挟まれた住宅周辺」、“過疎化”も重要なキーワードに
週刊ポスト
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト