東京・大阪の両知事らの猛プッシュもあって急浮上している「9月入学」だが、実施に伴う影響は相当大きなものになりそうで、学生の就職にも変化が生じる。
6~7月に卒業して、入社がこれまで通り4月だと、10か月近くもブランクができる。企業が「9月入社」に一斉にスライドすれば、済む話に思えるが、さらなる変化が予見されている。教育ジャーナリストの木村誠氏がいう。
「経団連は今年の就職活動が感染拡大の影響を受けていることから、企業が年間を通じて採用面接の機会を設けるように呼びかけています。
さらにはこれを機に、決まった時期の採用活動を経て一斉に入社する新卒一括採用をなくし、企業が時期を定めず柔軟に採用する“通年採用”を普及・定着させていく狙いがありそうです。
企業側は通年採用のほうが留学生などグローバル人材を採用しやすくなるといったメリットがありますから」
春先など決まった時期に街で“大量のリクルートスーツの学生”を見ることがなくなるわけだ。
※週刊ポスト2020年5月22・29日号