国内

「闇営業」する居酒屋 「我慢できないのは客の方」の声も

行きつけの店で遅くまで楽しめる日はまだ先

行きつけの店で遅くまで楽しめる日はまだ先

「闇営業」という言葉を聞くと、法で禁じられた何かを、法外な価格で販売する商いを思い浮かべるだろう。ところが最近「闇営業」を自称する人たちのなかには、法律で禁じられてもいなければ適正価格で商売している人たちもいる。ライターの森鷹久氏が、「闇営業」する居酒屋と、そこに集う客についてレポートする。

 * * *

 新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、各自治体が飲食店などに休業や営業時間の短縮を要請する中、様々な事情から「闇営業」をせざるを得ない人々について取材を続けてきた。当初は、本当にごく一部の店舗がひっそりと営業していたのが、緊急事態宣言延長が決定したゴールデンウィーク明けに“客の要望に応え”店を再開する、という事例が出始めている。

「休業協力金が50万円でることもあり、店は4月の中旬から閉めていました。ただ、5月に入った頃から常連のお客さんから問い合わせが相次ぐようになり、ゴールデンウィーク後半から、夕方から19時まで店を開けるようになると、お客さんが殺到するようになりました」

 声を潜め筆者に答えたのは、東京都内で焼き鳥店を経営する・田原ユウトさん(仮名・40代)。田原さんの場合、店を閉めて休業協力金がもらえれば、黒字は出ないが赤字も出なくて済むという事情から、緊急事態宣言が続く状況での店の再開は考えていなかったという。しかし……。

「お客さんから、飲みに行く場所がない、我慢の限界と……こちらとしては嬉しいお声なんですけどもたくさん頂くようになって。クレームがくることも予想されるので、おおっぴらにはしていませんが、現在は22時まで営業を続けています」(田原さん)

 店の常連客が続ける。

「あと一ヶ月、全く飲みに行けないとなると、我慢できないのは客の方でしょ。店は営業したいけどできない、客は飲みに行きたいけど行けない、それなら互いがこっそり結託してやればいいだけ。もちろん店に来る前は体温を測るし、消毒もするし3密にならないよう、お互いに気をつけている。来なきゃ店がなくなる可能性がある。このお店がなくなると困るからね、客も協力してやってるんだよ」(常連客)

関連記事

トピックス

11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。アルバイトをしながら日本語を学んでいた
「ホテルで胸を…」11歳年上の交際相手女性・浅香真美容疑者(32)に殺害されたバダルさん(21)の“魅力的な素顔”を兄が告白【千葉・ネパール人殺害】
佳子さまの“着帽なし”の装いが物議を醸している(写真/共同通信社)
「マナーとして大丈夫なのか」と心配の声も…佳子さま“脱帽ファッション”に込められた「姉の眞子さんから受け継ぐ」日本の伝統文化への思い
週刊ポスト
「秋の園遊会」に出席された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《秋の園遊会》 赤色&花の飾りで“仲良し”コーデ 愛子さまは上品なきれいめスタイル、佳子さまはガーリーなデザイン
NEWSポストセブン
(写真/アフロ)
《155億円はどこに》ルーブル美術館強盗事件、侵入から逃走まで7分間の「驚きの手口」 盗まれた品は「二度と表世界には戻ってこない」、蒐集家が発注の可能性も 
女性セブン
真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
ミントグリーンのワンピースをお召しになった佳子さま(写真はブラジル訪問時。時事通信フォト)
《ふっくらした“ふんわり服”に》秋篠宮家・佳子さまが2度目の滋賀訪問で表現した“自分らしい胸元スッキリアレンジ”、スタイリストが解説
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン
遠藤
人気力士・遠藤の引退で「北陣」を襲名していた元・天鎧鵬が退職 認められないはずの年寄名跡“借株”が残存し、大物引退のたびに玉突きで名跡がコロコロ変わる珍現象が多発
NEWSポストセブン
「全国障害者スポーツ大会」を観戦された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月26日、撮影/JMPA)
《注文が殺到》佳子さま、賛否を呼んだ“クッキリドレス”に合わせたイヤリングに…鮮やかな5万5000円ワンピで魅せたスタイリッシュなコーデ
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン