それにもかかわらず、尹氏の娘は米ロサンゼルス大学カリフォルニア校(通称UCLA)に留学し、ピアノを学んでいるという。学費は1年間で4万ドル(約400万円)と言われるが、この件について尹氏は、「1年にわたり全額奨学金をもらえる大学」を探したと弁明した。また、正義連はソウル市郊外に「慰安婦被害者のための憩いの場」という滞在施設を4月23日まで所有していたが、その管理は尹氏の父親が一人で行い、施設で暮らしていたことも明らかになった。
一連の疑惑報道を受け、関連記事のコメント欄やSNSには、去年米アカデミー賞を制した映画『パラサイト』になぞらえて、「寄生虫の尹美香」と揶揄する言葉が続々と書き込まれている。元慰安婦の支援という名目で、寄付金などに“パラサイト”してきたという意味だ。
尹氏や正義連といえば、韓国における“正しい歴史”の象徴的な存在である。だが、その本陣が疑惑にまみれていたということになれば、「韓国は不当な日本支配の被害者であるために、日本への謝罪要求は無条件に正しい」という韓国の歴史認識を汚し、韓国社会の“プライド”を損ねることになる。今回の一連の報道が「日本で嫌韓の材料として悪用されるのでは」との懸念も、韓国メディアからあがっている。
それにしても、慰安婦問題で日本政府に謝罪と補償を要求し続ける急先鋒が本当に“疑惑のデパート”だったのであれば、それこそ歴史の悪用ではないだろうか。5月7日の告発記者会見で、李さんは正義連が主催する水曜集会について「若者に憎しみばかり教えている」と厳しく指摘した。韓国は日本の嫌韓を気にする前に、“歴史”を謙虚に見直してほしい。