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存続か廃止かBRTか 不採算に悩むローカル鉄道が選ぶ道

近江鉄道は西武グループのため、西武鉄道から安価で中古車両を譲り受けるなど、経営努力をしている

近江鉄道は西武グループのため、西武鉄道から安価で中古車両を譲り受けるなど、経営努力をしている

 近江鉄道の路線規模は、神奈川県横浜市を地盤にしている大手私鉄の相模鉄道より大きい。それだけに、近江鉄道の全路線を廃止してバスへ転換するには高いハードルがある。例えば、代替バスの車両数を揃える、バス停や車庫を整備する、運転士や整備士といった人材の確保・育成などをしなければならない。それらは時間も必要になるし、資金もかかる。

 滋賀県や沿線市町、近江鉄道、そのほかにもバスやタクシーといった交通事業者、大学教授などを交えた検討会で熟議を重ねた。

 その結果、近江鉄道を廃止してバス転換を図るよりも、鉄道として存続させる方が費用を安く抑えられるとの結論を出す。

 鉄道廃止・バス転換が相次ぐ中、近江鉄道を存続するという結論は、半ば諦めかけていた沿線住民や利用者、鉄道ファンを驚かせた。

「近江鉄道を存続させることは決まりましたが、どう残していくのかといった具体的な内容を詰めるのはこれからです。各市町の負担金の額はどれくらいになるのか? 上下分離といった負担軽減策の検討。そして、運行本数やダイヤの調整、パークアンドライドや駐輪場の整備、学校などを沿線に誘致するといった利用者増を図る施策など、話し合わなければならないことはたくさん残っています」(滋賀県土木交通部交通戦略課)

 地方の鉄道は人口減少、そして東京圏への一極集中により厳しさを増している。それでも、地域住民のため、地域振興のために鉄道は欠かせないという認識は一致している。

 鉄道存続させるための、鉄道会社と地方自治体の模索は続く。

2011年7月の豪雨で一部が流失したJR只見線の第5只見川橋梁。バス転換も含む長い検討の末、鉄道存続が決定し2018年に復旧工事が始まった(時事通信フォト)

2011年7月の豪雨で一部が流失したJR只見線の第5只見川橋梁。バス転換も含む長い検討の末、鉄道存続が決定し2018年に復旧工事が始まった(時事通信フォト)

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