◆新型インフルエンザは国によって感染の波に違い

 それでは、2009年にパンデミックとなった【新型インフルエンザ】ではどうだったか。じつは、このときは国によって感染の波に違いがみられた。

 感染が始まったメキシコでは、2009年の春、夏、秋の3回の波が到来した。波の回を重ねるごとに、被害の規模は大きくなっていった。

 もう1つの感染開始の国であるアメリカでは、2つの感染の波がやって来た。6月に感染がピークを迎えた後、徐々に減少した。しかし、9月に入るころ、再び増勢に転じた。10月後半の第2波のピーク時には、第1波のピークを2倍以上も上回る新規感染者を出した。

 ヨーロッパ諸国でも、アメリカと同様、春から夏にかけての穏やかな第1波の後、秋にそれを上回る被害をもたらす第2波が襲来するというパターンがみられた。

 アジアではどうだったか。インドでは、2009年9月、12月、2010年8月と3回の波があった。感染者数は2009年、死亡者数は2010年が多かった。特に、3回目の波は、WHO(世界保健機関)が、パンデミック宣言を解除した後に起こったもので、インドではまだ感染拡大が進んでいた。その後、2015年にも感染拡大が起こり、多くの感染者と死亡者が出た。

 中国では、新型インフルエンザの感染の波は、2009年11月をピークとする1回しか起こらなかった。現在の新型コロナへの対策でみられているような、強力な入国管理を徹底したことが、第2波の襲来を防いだと考えられている。

 日本では、どうだったか? 日本も2009年11月をピークとする1回の波だけだった。新型インフルエンザの死亡者数が少なく、世界から「日本の奇跡」と言われた。その背景として、公的医療保険制度の確立、公衆衛生の徹底、入浴や箸を使った食事などの清潔な生活習慣など、さまざまな要因があったと研究者の間で指摘されている。

関連記事

トピックス

俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
AIの技術で遭遇リスクを可視化する「クマ遭遇AI予測マップ」
AIを活用し遭遇リスクを可視化した「クマ遭遇AI予測マップ」から見えてくるもの 遭遇確率が高いのは「山と川に挟まれた住宅周辺」、“過疎化”も重要なキーワードに
週刊ポスト
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト