国内

新型コロナ 海外との往来増える7月以降の第2波で被害拡大か

多くの感染者が出たイタリア・ベニス(写真/6月14日、AFLO)

 現代は、ヒト、モノ、カネが行き交うグローバル時代。ウイルスも例外ではない。新型コロナウイルスの感染が拡大すると、各国は渡航制限やロックダウンを行った。だが、現在は第1波の収束に伴い、経済活動のために各国で制限の緩和が進む。

 夏場の観光客を見込むイタリアは、6月3日から欧州各国の入国制限を解除。ドイツなど多くの国は15日から欧州各国の対象の制限を解除している。

 日本はタイ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドの4か国と人の往来再開の交渉を開始。日本からEU各国への入国も7月上旬以降、徐々に認められる見通しだ。

 海外から日本への入国に際し、政府はPCR検査の義務化や2週間の行動計画の提出を求めるといった処置を講ずる方針とされる。

「しかし、PCR検査は完璧ではなく、陽性者の見逃しが一定の割合で発生します。しかも、変異したウイルスまでちゃんと検出しているかわからないという話もある。

 厚労省が感染歴を調べる抗体検査を行った結果、東京での抗体保有率は0.1%でした。このことから多くの人が新型コロナの抗体を保持していないことがわかった。海外との往来が増える7月上旬以降、第2波が再上陸したら、さらなる被害の拡大が懸念されます」(全国紙科学部記者)

 東京農工大学農学部附属国際家畜感染症防疫研究センター教授の水谷哲也さんは、「今後、人の移動が再開したら、国ごとの感染者数に注意が必要」と指摘する。

「ウイルスが変異して強毒化するか、弱毒化するかは完全にランダムであり運次第ですが、感染者数が多いほどウイルスをコピーする機会が増えるため、変異株が生まれやすくなります。現在のアメリカやブラジルのように、感染者の増加が止まらない国ほど強毒株が現れやすいし、弱毒株も現れやすい」(水谷さん)

 この先は「南半球」の国に気をつけたい。

「一般的なウイルスのように新型コロナも湿度や温度で感染力や生存期間が変わると仮定すると、これから冬になるオーストラリアなど南半球の方が感染流行とそれに伴う変異が起きやすいと考えられます。今後は南半球の国の動向に注意すべきです」(水谷さん)

 未知なる新型コロナの脅威は過ぎ去っていない。この夏、2度目の緊急事態宣言が出されることになるかもしれない。

※女性セブン2020年7月2日号

関連記事

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン