国内

転売ヤーからゲーム機購入後、カニカニ詐欺に巻き込まれた話

転売ヤーを利用しただけなのに(時事通信フォト)

転売ヤーを利用しただけなのに(時事通信フォト)

 人気の商品などを転売する人たちのことを、ネットでは蔑みの意味を込めて「転売ヤー」と呼んできた。最近は、転売してもうま味が無いジャンルの商品だと思わせるために、絶対に転売ヤーから買わないようにしようという呼びかけが行われることもある。一方で、どうしてもほしいのだから転売しているものを買っても仕方ないだろうという利用者も後を絶たない。だが、古物商の許可を得て商売をしている転売業と異なり、ネットで特定商取引法に関する記載も個人情報保護方針も表示していないような者を相手に商品を購入することには、たとえその商品がきちんと手元に届いたとしても危険が伴う。ライターの森鷹久氏が、転売ヤー利用後にカニカニ詐欺に遭うなど迷惑なことが続くのはなぜかについてレポートする。

 * * *
 かねてより問題視されてきた「転売ヤー」問題は、特にネット上で要注意の存在とされてきた。それが今では、コロナ禍において必需品であったマスクや消毒液、巣篭もりする人が増え需要が増した人気ゲーム機などの転売騒動が起きたことによりテレビや新聞でも報じられ、ネットには疎い人も含めた国民の多くが知るところとなった。筆者はかつて、この「転売ヤー」に取材をしたことがあったが、彼らの言い分は「商社でも同じことをやっている」「ニーズに応えているだけ」といった感じで、まるで悪びれるそぶりも見せなかった。

 転売ヤーたちは、ほとんどが合法の範囲内ではあるが倫理的にはどうかと思える手法を駆使し、莫大な利益を上げている。この現象は、転売ヤーからでも買ってしまう人たちが多くいることを裏付けているとも言えるが、ここに目をつけたのが「詐欺師」だった。

「チケットでも人気ゲーム機でもマスクでもいい。とてつもない需要があるということは、多少怪しくともそこに釣り針を垂らしさえすれば引っかかる人はいる。詐欺にはもってこいでしょう」

 こう解説するのは、いわゆる「半グレ」と言われる組織に属し、かつてチケットの転売を生業にしていたという男性・江崎拓馬氏(仮名・30代)。最近も、人気アーティストのライブチケットを売ると言って金をだまし取るという事件や、SNSを通じて人気ゲーム機を購入したが商品届かないなど、転売ヤーに関連するトラブルがあとを経たない。ちなみに、チケットについては2019年4月から「チケット不正転売禁止法」が施行されている。

 ただ、こうした詐欺や法律違反を除けば、転売ヤーたちが需要に応えているというのは事実であり、一定の存在価値もあるのではないかと思ってしまうような状況もある。福岡県在住の会社員・金井義文さん(仮名・40代)は昨年のクリスマス直前、子供が欲しがっていた人気ゲーム機を入手すべく、近くの電気店、玩具店を十数件も回ったが、どの店も売り切れ。ネットの通販サイトも軒並み同じ状況で途方に暮れていたところ、SNS上で人気ゲームが販売されているのを知った。

「定価が3万円ちょっとのゲーム機が、SNS上では5万円で販売されていました。割高ではありますが、子供に約束した手前なんとしても欲しく、藁にもすがる思いで飛びつきました。SNSでのやりとりを経て、指定された口座に入金。怪しい転売屋だし、もし詐欺だったらどうしようという不安はありましたが、無事に届いた。どうしても欲しい場合は、転売屋から買うのもアリだな…と」(金井さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

食道がんであることを公表した石橋貴明、元妻の鈴木保奈美は沈黙を貫いている(左/Instagramより)
《“七三分け”白髪の石橋貴明が動き始めた》鈴木保奈美「私がお仕事をしてこられたのは…」“再ブレイクと闘病中”元夫婦の距離感
NEWSポストセブン
波瑠と高杉真宙の仲睦まじいツーショット
《波瑠がメガネと白セーター姿で高杉真宙にピッタリ寄り添い…》「思い出深い1年でした」新婚ホヤホヤの2人は“お揃いのデニムパンツ”で笑顔の神対応
NEWSポストセブン
『激走戦隊カーレンジャー』でピンクレーサー・八神洋子役を演じ、高い人気を得た来栖あつこさん
《スーパー戦隊50年の歴史に幕》「時代に合ったヒーローがいればいい」来栖あつこが明かすイエローとの永遠の別れ、『激走戦隊カーレンジャー』ピンクレーサー役を熱演
NEWSポストセブン
12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
《識者が“皇族の喫煙事情”に言及》「普段の生活でタバコを吸われる場合は…」秋篠宮さまの“車内モクモク”動画に飛び交う疑問
NEWSポストセブン
小室さん眞子さんのNY生活を支える人物が外務大臣表彰
《小室眞子さん“美術の仕事”の夢が再燃》元プリンセスの立場を生かせる部署も…“超ホワイト”なメトロポリタン美術館就職への道
NEWSポストセブン
今年成年式を終えられた悠仁さま(2025年9月、東京・港区。撮影/JMPA) 
《自らモップがけも…》悠仁さまが筑波大バドミントンサークルで「特別扱いされない」実情 「ひっさー」と呼ばれる“フラットな関係”
週刊ポスト
結婚を発表した長澤まさみ(時事通信フォト)
《トップ女優・長澤まさみの結婚相手は斎藤工と旧知の仲で…》インスタ全削除の“意味深タイミング”
NEWSポストセブン
長男・泰介君の誕生日祝い
妻と子供3人を失った警察官・大間圭介さん「『純烈』さんに憧れて…」始めたギター弾き語り「後悔のないように生きたい」考え始めた家族の三回忌【能登半島地震から2年】
NEWSポストセブン
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「クマが人里に降りてくるのは必然」「農業は野生動物に対する壮大な餌付け」 知床・ロシアでヒグマを撮った動物写真家が語る “現代の人間に欠けている自然観”
NEWSポストセブン
11人家族の宮前家
《子ども9人“大家族のパン屋さん”》「店員さんが注文を覚えきれなくて(笑)」11人家族のインフレ“金銭事情”と、大人数子育てで培ったこと「マニュアル本は役に立たない」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン