ビジネス

駅中心に広がる「ビニール傘シェアリングサービス」の可能性

西武鉄道本川越駅の自由通路に設置されたアイカサスポット

西武鉄道本川越駅の自由通路に設置されたアイカサスポット

 いま、ここに●●があったら! と願うものの筆頭は、傘ではないだろうか。駅に着いたとたん、雨が降っていて途方に暮れたことのある人は多いだろう。そんなときに役立つ傘のシェアリングサービスが拡大している。ライターの小川裕夫氏が、駅を中心にサービスを拡大する傘シェアリングサービスについてレポートする。

 * * *
 コンビニやスーパーなど、買い物をした際にレジ袋は商品とともに無条件で渡されてきた。そうした当たり前の日常が変わり始めている。スターバックスや、バーミヤンやジョナサン、ガストなどのすかいらーくレストランツでは、お馴染みだったプラスチック製ストローが紙製へと切り替えられつつある。プラスチック製ストローも退潮傾向が鮮明になっている。

 ゴミ削減や環境意識の高まりを受け、政府は7月1日からレジ袋の有料化に踏み切る。有料化の開始前から、すでに有料化に着手している店も出てきている。

 近年、コンビニやスーパーなどで配られるレジ袋は海洋生分解性が意識され、また原材料もバイオマス素材に切り替えられている。そのため、決してレジ袋が非エコというわけではない。それでも、レジ袋の多くが使い捨てられているので、政府はゴミ減量化の観点から削減を呼びかけている。レジ袋の有料化は、そうした背景から始まろうとしている。

 プラスチック製ストローやレジ袋など、それぞれの削減効果は決して大きくない。微々たる効果しかないが、ひとつひとつを積み重ねることで環境改善の効果は大きくなる。

 プラスチック製ストロー、そしてレジ袋ときて、次なる削減課題としてビニール傘の使い捨てが問題視されるようになった。今般、100円ショップでも販売されているビニール傘は、安価であるがゆえに使い捨てされやすい。台風一過の翌朝、街のいたるところで散乱しているビニール傘を目にすることも珍しくない。

 いつの頃からか安価なビニール傘が出回り、本来だったら繰り返し使うはずの傘は使い捨てされるようになった。そこにはライフスタイルの変化や経済的な背景もある。しかし、傘の使い捨てはゴミ削減を目指す今般の社会情勢に反する。

「ビニール傘に使われるプラスチックは、ストローのプラスチック使用量の約200倍とも言われています。また、ビニール傘による年間CO2排出量はおよそ5万トンにも及びます」

 と話すのは、傘のシェアリングサービスを手がけるアイカサの広報担当者だ。アイカサは、スマホにダウンロードしたアプリから、24時間70円、1ヶ月使い放題は280円で傘を借り、返却する。自転車シェアリングサービスと同じように、借りた場所と違う場所へ返却することが可能だ。

関連記事

トピックス

安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段通りの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
《名誉毀損で異例逮捕》NHK党・立花孝志容疑者は「NHKをぶっ壊す」で政界進出後、なぜ“デマゴーグ”となったのか?臨床心理士が分析
NEWSポストセブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
昨年8月末にフジテレビを退社した元アナウンサーの渡邊渚さん
「今この瞬間を感じる」──PTSDを乗り越えた渡邊渚さんが綴る「ひたむきに刺し子」の効果
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
「秋らしいブラウンコーデも素敵」皇后雅子さま、ワントーンコーデに取り入れたのは30年以上ご愛用の「フェラガモのバッグ」
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン
近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン