「原監督はセカンドのポジションを固定せず、相手の先発が右なら吉川尚、左なら北村、増田大輝と若手をスタメンで使っています。長いシーズンを見据え、吉川のコンディションも考えている面もあると思いますが、同じ20代の選手を切磋琢磨させて戦力向上を狙っているのでしょう」
巨人は6月25日、楽天からトレードでウィーラーを獲得したと発表。日本通算106発の助っ人を、原監督は1塁や左翼で起用すると明言している。現在、これらのポジションを守っているベテランの中島や陽岱鋼、亀井善行には大きな刺激となる。
「昔の巨人だったら、固定できないセカンドの守れる外国人の補強に走りそうですが、今は違う。セカンドは若手に競争させ、誰もがレギュラーになれる可能性のあるポジションになっています」
昨年も原監督はシーズン序盤には若手を試し、経験を積ませながら育て、終盤の勝負所で使える選手にしていた。
「俊足なのにスタートを切れない重信慎之介を叱責したり、若林晃弘や増田を大事な試合で使ったりしながら成長させた。その結果、優勝を決めた9月21日のDeNA戦では1点ビハインドの9回2死ランナーなしから重信、若林が四球を選び、小林のヒットで重信が果敢にホームに突っ込み、同点とした。そして、10回には増田が決勝タイムリーを放った。まさに1年の総決算のような試合でした。今年も序盤は若手を自在に使い分け、終盤には戦える選手に育てているのではないでしょうか」