◆発信者情報を知るには3段階の手続きが必要
ネット投稿者の発信者情報を開示するための法的手続きはかなり煩雑だ。大渕さんは自身が弁護士なので自ら手続きできるが、通常は弁護士に依頼した方がいい。
「投稿者が誰なのか、発信者情報を知るには、【1】コンテンツプロバイダーにIPアドレスを開示してもらって経由プロバイダーを特定し、【2】経由プロバイダーにログを保存してもらい、【3】経由プロバイダーに投稿者の氏名と住所を開示してもらうという3段階の法的手続きを踏みます。被害者は、それぞれの手続きにおいて必要な主張を展開し、証拠を提出しなければなりません。
つまり、加害者の身元を特定するまでに相当の時間と労力を使います。特定してからようやく、名誉毀損などの罪で提訴することになります」
先の投稿者に対しては、発信者情報開示の判決を求めて手続きを進めている最中だという。
悪質な書き込みには、相手に反省を促す意味でも、大渕さんのように、自身のSNSでその内容を公表し、法的手段を取ることも検討したい。
※女性セブン2020年7月16日号