ライフ

著者近影にマスク姿を指定 井沢元彦氏「歴史家のこだわり」

新刊の著者近影にはマスク姿を使用した井沢元彦氏

新刊の著者近影にはマスク姿を使用した井沢元彦氏

 新刊本に著者の顔写真を載せるにあたり、どの写真を使用するかは作家が決めることが多い。作品のイメージにも結びつくだけに、重厚なノンフィクション作品であればスーツ・ネクタイ姿、ポップな筆致の小説であれば親しみやすそうな笑顔の写真を使うなど、内容次第で傾向が分かれる。撮影を売れっ子カメラマンに依頼したり、あえて10年以上前の若々しい写真を使い続けたりする小説家もいる。中には「このお気に入りの写真以外はダメ!」という有名女性作家もいるほどだ。

 そうした“本の顔”に異例ともいえる写真を選んだのが作家・井沢元彦氏。関連本も含めた累計発行部数550万部となっている『逆説の日本史』(小学館刊)シリーズの最新刊第25巻「明治風雲編 日英同盟と黄禍論」の巻末に掲載された井沢氏の顔写真は、何と「マスク姿」なのだ。その理由を井沢氏が明かす。

「本書を編集していた時期は、まさに新型コロナウイルスの猛威が世界を襲っていたタイミングでした。歴史書には、それを執筆した時期の社会や世相をきちんと残しておく役割があります。コロナ禍は、中世のペスト禍と同様に、世界史の一ページとして記録される出来事になるのは間違いありません。私は歴史家として、この作品をコロナ禍の真っ只中に刊行したことを、分かりやすい形で残したかった。実際、本書の校正作業中は、街の人通りも少なく、歩いている人はみなマスクをしていたわけですからね」

 また、次のような意味でも「マスク姿」を後世に残していくことは意義のあることなのだと言う。

関連キーワード

関連記事

トピックス

雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
国仲涼子が『ちゅらさん』出演当時の思い出を振り返る
国仲涼子が語る“田中好子さんの思い出”と“相撲への愛” 『ちゅらさん』母娘の絆から始まった相撲部屋通い「体があたる時の音がたまらない」
週刊ポスト
「運転免許証偽造」を謳う中国系業者たちの実態とは
《料金は1枚1万円で即発送可能》中国人観光客向け「運転免許証偽造」を謳う中国系業者に接触、本物との違いが判別できない精巧な仕上がり レンタカー業者も「見破るのは困難」
週刊ポスト
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン