また、2013年の年末に「今年のナンバーワンドラマはどれか」という話題になったとき、「半沢直樹派」と「あまちゃん派」に二分されるなど、互いの存在を意識していたファンたちは少なくありません。
だからこそ「『半沢直樹』ファンが続編に盛り上がる今、『あまちゃん』ファンからさまざまな声が挙がりはじめています。その声は、「『半沢』ファンが純粋にうらやましい」という羨望から、「私は『あまちゃん』の続編も、のんちゃんの女優復帰もあきらめない!」という希望、「芸能事務所もテレビ局もひどすぎる」という怒り、「さすがにもう無理かもしれない」という絶望まで多岐に渡っていることが、愛情の深さともどかしさの証ではないでしょうか。
『あまちゃん』も、『半沢直樹』も、東日本大震災による重苦しいムードを払しょくできなかった当時の日本人に笑顔や爽快感、そして希望を与えるような作品でした。現在も新型コロナウイルスという思わぬ災いによって重苦しいムードで覆われているだけに、『半沢直樹』の続編に盛り上がるのは当然ですし、だからこそファンたちはこのタイミングで「『あまちゃん』の続編も見たい」と思ってしまうのではないでしょうか。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。