緊急事態宣言で休校していた早稲田大学。夏もすべての授業をオンラインで行う(時事通信フォト)

緊急事態宣言で休校していた早稲田大学。春夏学期はすべての授業をオンラインで行う(時事通信フォト)

◆なぜ授業は再開されないのか

 小中高は再開しているのに、なぜ大学だけは再開できていないのか。それは、規模が大きく、大勢の学生が集まり「密」となる可能性があるからかもしれない。大教室には何百人もの学生が入るので、感染拡大の心配があるのだろう。

 こうした措置は諸外国でもそうで、ロックダウンを取らなかったスウェーデンでさえ大学は閉鎖されていたのだ。

 国内では、地方大学や医科大学など、少しずつ対面授業を再開し始めている大学もある。けれど都内は感染再拡大が起きていることが心配の種だ。実際、法政大学では7月より一部の対面授業を再開し始めていたが、〈東京都における感染者増加の動向などを勘案し〉、またオンライン授業に戻ってしまった。

◆まだ上京できていない学生も

 都内のマンモス大学の多くは秋までオンライン授業を続けると発表している。青山学院大学では、〈感染者数が再び増加に転じている。学生および教職員の健康と生命の安全を確保することが第一〉として、9月から開始される後期授業についても、原則としてオンライン形式で授業を実施すると発表した。

 感染の状況次第では授業再開の時期はますます遅れるかもしれない。その理由のひとつに、地方からまだ上京できていない学生が大勢いることもあるだろう。早稲田大学では地方出身学生と留学生合わせて2万人が首都圏に戻って来られない状況にあるという。

 私の周囲でも、一旦上京したけれどオンライン授業となってしまったので実家に戻ったという学生がいる。新1年生でいつ上京したらいいのかタイミングに迷っている人は多い。感染が落ち着いてきたらと考えていたのに、どんどん都内の感染者が増えてしまい、上京したくてもできないという人もいる。

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